第167話
今日の授業はテスト返しだけだったので満点を取ったルンルンの気分のまま放課後になった。教室で友達と雑談していた。
「いやぁ、1年生も明日で最後か。意外と早かったな」
「色々ありすぎて疲れる1年だった」
だってよくよく思い返してみると彩葉も、不破も、楓も、生徒会の先輩たちも......ついでにこいつらも今年に初めて会ったやつらだもんなぁ。そうとは思えないぐらい仲いいけど。最後の奴らを除いて。
「あ、そうそう。今日俺行かないといけないところあるんだったわ」
「女か?女じゃねえだろうな?」
「だとしたら今ここでコロス!」
何なんだよこいつら。別に女子だったっていいだろ。学校で本人が内容を把握しきれないぐらいの大量の陰口、悪口、噂が広まってるやつと話したい人なんてそもそもいないだろ。
「そっか。お前に好意を抱いてそうな人がいると俺は思ってるけどな」
「俺に好意を抱いている女子なんていねえだろ。少しは考えろ馬鹿ども.......もしかして不破のことか?」
不破のことを言ってるんだったら納得する。だってあいつクラス全員の前で大声で俺に告って振られたこと話してたもん。
「お前は本当に鈍感だよな。道徳も0点だし」
「おい、鈍感って言うのは100歩譲って許すとして後のは余計な一言だろ」
あ、こんな奴らと話してる場合じゃないんだった!早くあの場所に行かないと!!
「じゃ、俺帰るわ」
「おう!」
「帰り道で4ねよな」
「ひっど!!」
俺は教室を出て急いで呼び出された場所に向かう。今日の朝学校に着いたら______________________
今日の朝
「唯桜っちー!おはよー!!」
下駄箱の前で俺は不破に話しかけられた。
「おう、不破おはよう」
俺は挨拶をしながら自分の下駄箱を開けた。するとその中から1枚の手紙みたいなものがひらひらと出てきた。俺はそれを拾い上げる。
「なんだこれ?」
「どうしたの?」
不破が手紙を横から見ながら訪ねてきた。
「なんか下駄箱にはいってたんだけど」
「えぇ!?それ、絶対ラブレターだよ!!まさか唯桜っちの良さに気付く女子が現れたなんて.....ライバル出現か!?」
不破は一人で盛り上がる。これって普通貰った側が盛り上がるもんだろ。俺はうるさい不破を無視してその手紙の中身を見た。その手紙には
『放課後、体育館裏に来てください』
とだけ書かれている紙が入っていた。うーん、俺に限って告白とかは無いだろうし.....。
「放課後、体育館裏....か。唯桜っちは私のことを選んでくれるって信じてるからね!!」
「何の話だよ」
不破はああいっているけど多分これ、果たし状だよなぁ。
_________________となって今に至る。前回不破が俺のことをよびだしたときは告白だったけど今回は絶対に果たし状だ。なんかそんな感じがする。ん?何でそんなことわかっててそんなに落ち着いているかって?そんなの行って男どもがいたら逃げるからに決まってるじゃないか!最初から逃げるのはもし仮に奇跡的に告白しようとしてくれてる人がいて勇気を出したのに相手が来なかったとなるとかわいそうだからなし。ま、もし見ているのがバレて殴られたりしてもなるようにはなるだろ。(テストの結果がよくて浮かれてる)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます