第45話

「誘ってもらえて光栄です。でも俺は放課後にバイトをやっていて時間があまり取れません。更に俺はあまり他の人からの評判はあまり良くありません。ですので辞退させていただきたいです」


これは結構うまく断れたのではないのだろうか。


「時間はバイトがない時だけでいいよ。あと君、実は噂程クズじゃないだろう?」


バレてる!?ちょっと待てこれはブラフかもしれない。ボロを出さないように立ち回らないと。


「いやぁ、本当に自分でもなんでこんな噂が流れているのかわからないぐらいですよ」


「君は頭がいいね。ブラフだってことにすぐに気が付いた。そう言っておけばもし今君と1対1で話していたら僕もわからなかったかもしれないね」


もうクズじゃないってバレている!?なんで......あっ!!


「夜見君も気づいたみたいだね。そう、君が質問に答える前から綾崎君の表情でバレバレだ」


生徒会長すっご!うーん、これはもう挽回できないな。


「よ、夜見君!ごめんさい!」


綾崎が自分のせいでバレてしまったと今気づき謝ってくる。


「もうバレちゃったことは仕方ないよ」


でもバレたってことは...


「そこで一つ交渉しないか?僕は別に夜見君がクズではないことをばらしてもいい。しかし生徒会に入ってくれたらこのことは決して他言しない。どうかな?」


やっぱりこういうことだよなぁ。流石に俺がクズではないという噂でもソースが生徒会長だったら全員が信じるだろう。すぅーーー、入るしかないかぁ。


「わかりました。生徒会に入ります。改めまして夜見唯桜です」


「わ、私は綾崎彩葉です。よろしくお願いします!」


「改めて、僕は生徒会長の黒野だ」


お互いもう一度挨拶をし直す。そういえば会長の下の名前ってまだ聞いていないよな。


「因みに会長の下の名前って何ですか?」


「________ら」


ん?声が小さくて聞こえなかったな。


「あの、すいません。聞き取れなかったのでもう一度お願いしても...」


俺がそういうと会長は泣きそうな顔で睨んできた。


「てぃあらだよ!!姫って書いててぃあら!!あー!言いたくなかったのに!!唯桜や彩葉なんて素敵な名前持ってる人には僕の気持ちはわからないんだ!!」


「ご、ごめんなさい」


なるほどてぃあらか。そりゃあほかの人に言いたくないだろうな。


「そうですか?可愛い名前じゃないですか?」


おい綾崎!それは励ましじゃなくて煽りにしかなっていないって!!


「綾崎君、それは煽りにしかなっていないからね」


「ごめんなさい!」


綾崎が謝ると会長は咳払いをした。


「取り乱れてしまってすまなかったね。これからもよろしく頼むよ」


「はい、よろしくお願いします」


綾崎に続いて俺も頭を下げる。


「よろしくお願いします........てぃあら先輩」


「てぃ...ッ!!君はどうやら噂を流して欲しいみたいだね」


「ごめんなさいもう言いません」


これには触れない方がよさそうだな。







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