第25話 混沌の入り口
「おい唯桜!綾崎と何か進展はあったのか?」
夏休みが始まる前日の朝、ホームルームが始まる前に俺は零に絡まれていた。だりぃー。色々ありすぎたけど言えるわけ無い。こいつに綾崎に抱き着いたとか言ったらどうなることか...。
「何かあるわけ無いって」
「でもずっと二人きりなんだろ?ちょっとしたラブコメ系イベントが無いわけがない」
「脳内お花畑じゃん。そろそろラブコメを読むの辞めたほうが良いんじゃないか?それより零は海楽しかった?」
ボロが出そうな話題だったので無理矢理話をそらす。
「勿論楽しかったぜ!後これ、約束してた写真な」
零がそう答えると俺のスマホの通知がなった。多分送ってくれたのだろう。俺も山のきれいな写真送り返さないとと思い零とのトーク画面を開く。
「うわっ!!」
スマホには盗撮したであろう女子が水着を着て遊んでいる写真が大量に映されてあった。こいつやべーな。
「盗撮は犯罪だぞ。ええと警察の電話番号は....」
「ちょっと待ってくれ!!バレなきゃ犯罪じゃないんだよ!でもそんな事行ってお前も欲しかったんだろう?あのギャルの不破のももう送ってあるぞ」
「いるかぼけ。いいか?絶対にバレるなよ。女子に消されるから」
もしこのことがバレたら命が危ない零に俺は忠告をする。
「大丈夫大丈夫!!もしバレたら全部お前に罪被せるからよろしくっ!!」
そう言うと零は走って逃げた。
「ふざけんなよてめぇ!!」
よろしくっ!!じゃねえんだよ!!!
__________
放課後、俺は帰ろうと門を出ると不破が一人、制服を改造した派手な服を着てスマホをいじっていた。彼女を見かけた瞬間、俺の本能が俺に訴える。こいつともう関わらない方が良いと。それに従い、俺はコソコソとバレないように通り過ぎようとする。今日は早く帰って宿題を終わらせたいんだよ!!
「唯桜っちー!待ってたよ!!」
はいはい、詰んだ詰んだ。
「何か用?早く帰りたいんだけど」
俺は嫌そうな顔をしながらそう言った。よしこれでもうどっか行くだろ。
「もっと罵って!!...じゃなくて一緒に帰ろ?」
忘れてたこの美人ドMだった!!(7話参照)
まあ一緒に帰るぐらいは良いけど絶対何か企んでる気がするんだよなぁ。
「まあ一緒に帰ってくれなくても後ろからずっとついて行くけど」
こっわ!!おばけとかとはまた異なった恐怖を感じる。この人ヤンデレも入ってるって!!美人でギャルでドMでヤンデレとか属性盛りすぎだろ。
「わかった。一緒に帰るか」
止む終えなく了承する。
「やったー!!」
不破は無邪気に喜ぶ。こういうところは可愛いんだけど勿体無いよなぁ。そう思いながら俺が歩き始めると後ろから俺を呼ぶ声がした。
「夜見君!!今日の数学の問題について教えてくれないかしら?って隣の人は誰ですか?」
「初めまして綾崎さん。唯桜っちに振られた女、不破音羽でーす!」
何かめんどくさいことになってきたぞ。最悪のタイミングで最悪の告白しやがった!!
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