第192話

「今日は夜更かしだー!!」


「「うおーーー!!」」


「なあ夜見、お前好きな人いる?」


「寝ろよあほ共。後いると思うか?」


海遊館を回り、ホテルに戻って夜ご飯を食べ、後は自由時間なのだが.....大部屋のせいで寝れねえ!!うるせえ!!明日早いんだから寝ろよ。


「おいおい、夜見にその質問は愚問だぜ。夜見は王女様と不破さんの美人ハーレム築いているだろ?」


そう言いながらそいつは俺と肩を組んでくる。


「人聞き悪いことを言うな。肩組んでくるなキショイ」


俺は力尽くでそいつを押し返す。


「で、夜見さんはどっち狙ってるんですかぁ?」


「教えろ教えろー!!」


「もしかして両方!?」


うわ、こいつら俺を標的にしてきやがった。なんか皆修学旅行だからってテンション高くね?周り全員ラリってるんだけど。まじで全員目イってる。まともは俺だけかよ!うん、これ以上こいつらとまともな会話できねぇわ。早く寝よう!我ながら賢明な判断だな。


「はいはい、両方両方。じゃ、俺は寝るから」


俺が布団に逃げようとすると後ろから思いっきり枕を投げられた。


「痛っ!まじで殺すぞ!!」


「適当に話すな!」


「そうだそうだ!自分だけ逃げるとか卑怯だぞ!!」


「馬鹿か!全員で俺を標的にロックオンするほうが卑怯だろ!!」


俺がそう言い返すと数秒間の沈黙が続いた。そして俺を除く全員が口をそろえてこう言った。


「「「「「........いや、お前が悪い」」」」」


「くそが!!」


マジョリティが少数マイノリティの意見を押しつぶす、こんな世の中ではだめだということを学べました。くそが。


「早く答えろ~!!」


「夜見ぃ!観念しろ!!」


あ、駄目だ。この部屋にいれば確実に俺が標的になる。めんどくさいが1階のエントランスまで逃げるしかない!俺はそう思い、スマホや鍵など最低限の荷物を光速でまとめて部屋から飛び出る。


「あっ!夜見が逃げた!!」


「どうする?追いかけるか?」


「いや、ここのホテルまあまあ広いしもう見つけれないだろ」


「じゃあいっか。また戻ってくるだろ」


______________

「ふぅ、逃げ切れたぁ。っていうか最初から追いかけて来なかったな。ラッキー!」


俺はどのタイミングで戻ろうかと考えながらスマホを眺める。時間的には皆が寝ているときがベストだがあいつら当分寝なさそうだしなぁ。どうしたものかと考えていると誰かから声がかけられた。


「唯桜っちじゃん!こんなところでどうしたの?」


「部屋で休まないんですか?」



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