第95話

「すいません遅れました!」


俺は生徒会室に急いで入った。転校生にも多分優しい人って思われちゃったし...ま、まあ森宮さんも困ってそうだったしあのまま放置するわけにもいかないからナンパから守っただけ良しとするか。


「夜見君、全然気にしなくていいよ」


「あれ?綾崎ちゃんは?」


山田先輩に尋ねられる。


「何か家の用事らしくて来れないらしいです」


「わかった。じゃあ全員集まったね。会議を始めようか」


会議か。何か問題でもあるのかな?


「今回は体育祭の生徒会がする係の割り当てについてですよね」


高嶺先輩が会長に確認する。体育祭...だと.....!?そんな行事もあったな。存在自体を忘れてたわ。え、普通に運動したくないんだけど。運動神経が終わってる俺は醜態晒して終わりじゃん。見える....見えるぞ!リレーでコケて皆からバカにされる未来が見える!


「やっぱり体育祭は盛り上がるし楽しみだねっ!」


山田先輩が目を輝かせながら偶々隣に座っていた俺に向かってそういった。よ、陽キャだ。やっぱり山田先輩は陽の者だったのか。陽キャのように見えて根が陰キャの俺は陰キャっぽい答えをしよう。


「俺は運動できないのであんまり好きじゃないです」


「夜見君に...激しく同意......」


小幡先輩は俺の仲間だったのか!体育祭アンチがこの生徒会において俺だけじゃなくて安心した。


「うーん、僕は体育祭好きでも嫌いでもないな」


「皆さん、話が脱線してますよ」


会議をするはずが体育祭が好きか嫌いかの話になってしまったのを高嶺先輩が注意する。それにしても体育祭か....嫌だなぁ(n回目)


____________

翌日、体育祭でどの競技に出るかを決める授業があった。次競技決めかぁ。やっぱ1人1競技は出ないといけない個人種目は玉入れに限るよな。玉入れは1球も入れなくても戦犯だとバレないし俺みたいな運動音痴を救うための競技だと言っても過言ではない。俺がそんなことを考えていると綾崎に話しかけられた。


「夜見君はどの競技に出るのですか?」


「今のところは玉入れにしようと思ってる」


人数オーバーだけが心配だなぁ。


「なあ夜見、一緒に3人4脚出ようぜ!」


「俺達の友情なら絶対できるぜ!!」


「えぇー...」


綾崎とその後も色々と話していると前の席にいたいつもの友達に話し掛けられた。3人4脚かぁ。別に出ても出なくてもどっちでもいいな。でもせっかく誘って貰ったんだしチャレンジしてみるか。





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