第94話
俺が熱を出して休んでいた2日間で転校生が来ただけで他は別に大して変わった事もなく無事、放課後になった。ええと、今日は生徒会があるな。綾崎は...用事で帰るって言ってた気がする。一人で行くか。
「ねえねえ楓ちゃん。ちょっと俺等と遊びに行こうよ」
「楓ちゃんの行きたい所どこでも連れてってあげるからさ!」
「いや、その...遠慮したいっすね....」
「えぇ!何?俺等の誘い断るの?」
後ろの席揉めてるなぁ。話を聞くからには転校生の森宮が上級生に絡まれているらしい。今日一日の俺への態度でわかったが森宮は俺がクズっていう噂を聞いていないっぽい。ここで上級生に強い口調で話すことによって俺のことをヤバイ奴と認識するのではないのだろうか?そう認識したら俺にあまり話しかけて来ないだろうし。俺に話しかけて来ない方がこれから他のクラスメイトとの関係を簡単に構築できるだろう。これも森宮のためだ。ちょっと怖いが頑張るか。
「おいお前ら、俺のクラスで調子乗ってんじゃねえよ」
俺は森宮に話しかけていた先輩たちを睨みながら言った。
「は?1年ごときが俺等にそんな態度とってもいいの?知らないよ?」
やっぱ怖すぎ!そうするともう一人の先輩が俺に向かって反論してきた先輩を抑える。
「おい!こいつ夜見だぞ!?喧嘩を売って良い相手じゃない!」
「最近生徒会に入って権力を振りかざしているという噂の夜見か!?お、おい!帰るぞ!!」
どこからその噂流れてるんだよ。そんなことしたことねえぞ。
「おう!」
そう言うと先輩たちは教室から出ていった。何もされなくて良かったぁ。最近なかったクズムーブできたし良い結果になったな。
「あの!助けてくれてありがとうございますっす!」
森宮が俺に頭を下げて礼を言った。ん?助ける?.....あ!先輩にも喧嘩を売るヤバイ奴になろうとしてたのに森宮を先輩からのナンパから守ってあげる優しい奴になっちゃてるじゃん!!うわ!盲点だった!!
「別にあいつらがウザかったから追い払っただけだよ」
「なるほど...そう言うことだったんすね」
これで誤魔化せたか?いやぁ流石にきついかなぁ。生徒会のこと忘れてた!そんなのこと考えてる暇ないわ!俺は急いで生徒会室へ向かった。
___________
森宮は事前の情報のせいで夜見唯桜という人を見事に勘違いをしていた。なるほど。優しいけど人見知りで素直になれないツンデレ系の人なんすね!あんなことを言ってたけど助けてくれたからいい人だと思うしもっと仲良くなりたいっす!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます