第93話
「俺!完全復活!!」
俺は教室で俺の近くにいた友達と綾崎に言った。
「やっと来たかぁ。そのままくたばればよかったのに」
「おい、心の声漏れてるぞ。ぶち殺すよ?」
そんな事言われても冗談で言っているということはわかっているのでそこまでは傷つかないが。
「無事来てくれて嬉しいです!」
俺に優しくしてくれるのは綾崎だけだよ。まあ俺もクズのフリしないといけないから優しくしてるのは綾崎だけだけど。
「夜見が休んでいる間にこのクラスも結構変わったしな」
「そうですね!」
「いや、2日程度では何も変わらないだろ」
「それが本当に変わってるんだよなぁ。ほら、お前の後ろの席増えてるだろ?」
友達が俺の後ろに指を差す。本当だ、席が増えてる。と、言うことは...
「転校生?」
「大当たりです!」
「まじか!?」
この熱のがある生徒にも課題を出すようなゴミ進学校に転入できるぐらいなんだから相当頭がいいんだろうな。
「因みに女の子でかわいい」
「その転校生に関するまあまあどうでもいい情報をありがとう」
まじで思春期の男子はそういうことしか考えていないんだから。全くもう!
「お、噂をしたら転校生だ」
多分転校生であろう人が俺の後ろの席に向かってくる。ボーイッシュな感じだな。まあ2日も学校に来ていたら俺の噂も聞いているだろうし話しかけてこないと思う。流石にお互い無干渉だろう。
「初めまして私は森宮楓っす!夜見さんですよね?これからよろしくお願いします!!」
あれぇ?何かめっちゃ俺に向かって挨拶してるじゃん。クラスメイトのことだから俺がいない間に転校生に俺のことをボロっカスに言うぐらいしてると思ったんだけどな。クラスメイトよ、信頼してなくてごめんなさい。
「これからよろしく」
俺は軽く返事をする。何で俺に話しかけてきたんだろう?俺が前の席だからかもしれないけど何か引っかかるんだよなぁ。まあ考えすぎか。
___________
夜見が熱で学校を休んでいた日のこといつも夜見と仲のいい男子と転校生が話をしていた。
「ええと森宮さんだっけ?」
「そうっすけど...なにかあったっすか?」
「今前の席の人休んでいるでしょ?実はあの人、人見知りだけど超優しいんだよ。あいつが学校に来たらぜひ話しかけてあげてほしいな」
「なるほど...了解っす!任せてください!」
いつも夜見と仲のいい男子は転校生に嘘の情報しか与えていない。また、転校生はそれをすべて信じている。
「さて、面白くなりそうだな」
男子はそうつぶやく。
「どうかしたっすか?」
「いいや、こっちの話だよ」
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