第66話

俺は綾崎と接客をし、人がいっぱいになってきたらキッチンの手伝いをする感じで淡々と働いていた。


「そういえば夜見君は今日は文化祭誰かと一緒に回るのですか?」


俺がフランクフルトをチンするのを待っていると綾崎も時間が空いたのか話しかけてきた。


「誘える友達がいなかったから今日もぼっちだよ。でも昨日の発見で俺が店に入ったら皆ビクッてなるから今日はそれで遊ぼうかな」


先輩たちの間にもいつの間に俺の悪評が広まったのだろうか?


「えぇ!?そ、そんな事してはいけませんよ!!」


綾崎が起こったような顔でそういった。


「冗談だって。そうだ綾崎!もし良かったら今日も一緒に回らない?」


俺は綾崎を誘う。昨日一緒に回ったときも楽しかったし一人よりも二人のほうが絶対に楽しいからな。


「良いんですか!?喜んで!!」


綾崎もすぐにオッケーしてくれた。良かったぁ。これでもし断られていたら人間不信になって1週間は寝込むぞ。


「ではそれまで仕事がんばりましょうね?」


「おうっ!任せろ!!」


「夜見め!俺等の前でイチャイチャイチャイチャしやがって!!」


「いいなぁいいなぁ羨ましいなぁ」


「万死に値する!万死に値する!!」


テーブルのほうから零たちの声が聞こえてきた。最後のやつ見えねえけど藁人形とか持ってそうで笑えないんだが!?うーん、こいつらもう全員出禁でいいんじゃないかな?


____________

仕事が終わり、俺と綾崎は色々なところを回った。ご飯を食べたり射的したり、先輩から喧嘩売られたりした。まあ綾崎もいるということに気づいてどっかに行ったけど。まじで助かった。


「そうだ!今日キャンプファイアーあるんだっけ?そろそろ時間だと思うし一緒に行こうよ」


「良いですね。きれいなおっきいキャンプファイアー見てみたいです!」

_____________

あれから十五分後、俺たちは二人で校庭で燃やされた大きなキャンプファイアーを....


「は?資料多すぎだろ!!ん?ここのクラス予算オーバーしてるし!!面倒くせぇ!!」


「キャンプファイアー見たかったなぁ」


見てるわけでもなく生徒会室で一生懸命働いていた!!おかしいだろ!何で文化祭の日に仕事が入るんだよ!!


「夜見君と綾崎君の仲がいいのはいいことだな。というわけで僕はもう仕事を終わらしているので帰るよ。お疲れ」


「私はキャンプファイアー見てこよっと!」


「私も...見る....二人共、仕事頑張って.....」


「ちょっと!おいてかないで下さいよぉ!!」


先輩たちが皆生徒会室から出る。う、羨ましくなんか無いんだからね!!


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