第161話

「お、おはよう彩葉」


「お、おはようございます」


俺と彩葉は付き合っていないということを説明するために俺は不破も呼んで教室に入った。彩葉と目が合ったから挨拶したけどちょっとぎこちないんだよなぁ。まああんなクソメディア部の奴らにゴミみたいな号外出されたらそうなるか。


「もう知ってるかもしれないけどあんなの無視してて良いからな」


「わかりました。お気遣いありがとうございます」


これで一旦俺と彩葉の気まずさは軽減されたと思うけど(希望的推測)3人のモンスター(友達2人と不破)と大量の野次馬(クラスメイト)がいるんだよなぁ。因みにまだ楓は来ていないっぽい。あの人にこんな噂を知られたら『どうぞどうぞ。お二人でゆっくりしててくださいっす!』とか変な気遣いしてきそうだからよかったな。


「____で服が濡れたから買ったってだけ!わかったかお前ら!!そもそも、クソメディア部の言うことなんて信じる方がおかしいだろ」


俺は事の発端から結末までしっかり話す。これでもう疑われることもないだろ。


「え?でも同じ服買うか?」


「結構いろんな種類の服があると思うけど」


「私がこの前行ったときはたくさんあったよ」


お前らのような勘のいいガキは嫌いだよ。えー、でもどう説明しよう。起こった通りのことを説明したら『イチャイチャしやがってぇ!!』とか言って逆切れしてきそうだし....まあいつもの突発的に思いつく嘘でやり過ごすか。


「ああいうところの服ってTシャツとかが多いしデザインも大体ダサいから二人ともあれに落ち着いただけだ」


「確かに、そう言われてみたらそうか」


一人の友達がそう言い、もう一人の友達や不破も納得したかのように頷いている。まじで何でこんなに言い訳が得意になったんだろう? 特技:言い訳 とかめっちゃ嫌なんだけど...。


「じゃあ私は用意があるから教室に戻るね!唯桜っち!春休みは一緒に遊ぼうね!!」


朝のホームルームも近くなったところで不破は自分のクラスの教室へと戻っていった。春休み。そう、もうすぐで高校1年生も終わりだ。え!?もう再来週から春休み!?この前冬休みが終わったばっかじゃん!


「ま、夜見と綾崎様が付き合うのももう秒読みだと思うしな」


「夜見と綾崎様が付き合ったらお前の顔に免じでブチギレさせてもらうけどな」


俺がもう春休みかと思って驚いていると友達がそんな事を言いながら自分の席へと戻っていった。..............俺の顔に免じてブチギレるってどういう状況!?

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