第162話

「ねえねえ夜見、期末テストって知ってる?それはね、この世で最も必要のないカスみたいなテストのことだよ」


「俺らみたいな普通の人はね、良い点数を取らないといけないからお前を除いた全員は頑張って勉強するんだ。お前もこの地獄を味わってほしいよ」


期末テストまで後3日のこと、放課後俺は時間はあるし1度帰ってからバイトに行こうと思って用意をしているといつもの奴らに絡まれた。ん?テスト週間なのにバイトに行くのかって?まあ俺はテスト勉強に囚われたモンスターじゃないからな。あいつらと違って。そもそもテストとか授業聞いていたら大体わかるだろ。


「そうかそうか。じゃ、頑張れ。俺は帰るわ」


俺は友達を見捨ててさっさと帰ろうとすると腕を掴まれて妨害された。


「明日!明日だけでも良いから俺達に勉強教えてくれ!!」


「今日中にわからないところリストアップしてくるから!」


明日は....うん、特に予定ないな。じゃあ俺の慈悲で教えてやるとするか。夜見唯桜、なんて優しい男なんだ!!


「*わかったわかった。また明日な」


*訳:早く帰ってゆっくりしてぇから帰らせろ!!


「言ったからな!録音したからな!逃げたら許さねえからな!!」


「俺が考えた恥ずかしい噂流してやるからな」


「さらっと録音してんじゃねえよって言おうと思ったけどもっと悪質な奴もいたんだが!?」


あいつが考えた恥ずかしい噂って例えばどんなものか気になるところだったがこの後用事があるので聞かずに家に帰ることにした。


「じゃあな。あ、受講料として今度何か奢って貰うぞ」


「その位だったら全然いいぜ!じゃあな!」


「明日は逃げるなよ!」


___________________

正門を通るとすぐ前に家に帰っている途中の彩葉を発見した。この前号外出されてからも話はするんだけど会話がなんだかぎこちないんだよなぁ。よし、一緒に帰って仲を元通りにしよう。別に喧嘩してるとかそういう訳ではないけど。


「彩葉、おつかれ」


「え!?あ、夜見君!お、お疲れ様です」


いきなり声を掛けたので彩葉は少し驚いていた。彩葉って美人だから一緒に歩いているとよりいろんな人に見られるんだけどこれってすごいよな。言うのは恥ずかしいし絶対に言わないけど。


「テスト勉強、進んでいるか?」


「ぼちぼちですね。でも勉強は毎日コツコツやっているので今回もいい結果が出るとおもいます!唯桜君の方は.....あっ!テスト勉強はあまりしていませんよね?」


彩葉がそう聞いてきた。


「そうだな。この後もバイトあるし。でも明日は勉強会やる。あ、彩葉も来るか?わからないところとかは教えれたら教えるぞ」


まあ彩葉は完璧だと思うから流石に来ないと思うけど一応誘ってみる。


「いいんですか!?ではお言葉に甘えて行かせてもらいます!ちょうどわからないところもあるのでその時お聞きしますね」


ほらな、やっぱり断られた....え!?来るの!?しかもわからないところがある!?彩葉がわからないことが俺にわかるのか自信がない。


「わかった。明日の放課後教室に残っててくれ」


「わかりました!!」


取り合えずバイト終わったら彩葉にわからないところを聞かれてもきっちり対応できるように勉強するかぁ。

____

明日休みです。

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