第199話

「おーい!お前ら!!彩葉見つけたよ!!」


「え!?ほんとじゃん!!」


「あややどこに行ってたの?心配したよー!!」


彩葉を連れて皆の元に戻ると待っていた奴らが安心したような表情でそう言った。皆と合流する前に手をつないでいたことに気付いてよかった。手をつないだ状態であいつらと合流するとろくな事にならなさそうだしな。


「私がぼーっとしていたばかりにこんなことになってしまって申し訳ないです」


そう言って彩葉が頭を下げる。


「いやいや、俺が彩葉のスマホを持ったままだったからこんな大事になったんだし彩葉が謝ることじゃないだろ」


「そうだそうだ!全部夜見が悪い!!」


「夜見、地面にめり込むまで頭下げろ!!」


俺の言葉に友達が便乗する。俺も俺が悪いと思うけど何もそこまで言うほどではないだろ。.....いや、そんなことないか。本当に申し訳ない。皆の前で謝るとクズ度が低くなってしまうから彩葉と2人になるときを作ってその時に改めて謝るか。


「っていうか夜見、綾崎さんの場所なんてよくわかったな」


友達が思い出したかのようにそう言った。


「先生の方に向かっているのかなって思ったから急いで道を辿ったらなんかいた」


「これってもしかして運命!?」


俺の答えを聞いてもう一人の友達が茶化す。


彩葉がいたって言ってるだろ!」


「ワンチャンもう付き合ってるのかなぁ?って思った」


「そんなわけないだろ!なあ、彩葉からも何か言ってやれよ!!」


こいつらまじで俺の言う事聞いてないからな。彩葉に助けを求めよう。


「え!?わ、私はその唯桜君と付き合えるのなら....」


彩葉は照れくさそうにそう言う。あれ?彩葉ってこんな冗談言うタイプだっけ?こいつら馬鹿だから冗談でも本気に思うぞ。


「だってさ、夜見」


「もうお前ら付き合っちゃえよ」


ほらな。俺は誤解を無くすために弁明しようとすると少し前を歩いていた不破と楓に急かされた。


「早くグリコの看板見に行くっすよ!」


「早くしないと置いていくよー!」


「「「今行くー!」」」

__________

「ここのたこ焼き、この前配信者ががおすすめしてたよ!!」


「いただき卍!」


「大阪のたこ焼きめっちゃおいしい!粉物はやっぱり大阪だね」


俺と彩葉は修学旅行のパワーなのかずっとテンションが高い班のやつらを見守っていた。やれやれ全く、あいつらは子供だな。俺と彩葉の落ち着きを見ろ。これこそがまさに大人の余裕。見習って欲しいもんだぜ。俺はそんなことを思いながらたこ焼きを頬張る。


「唯桜君!初めてたこ焼きを食べたのですがとってもおいしいです!すぐに食べ終わっちゃいました!!」


前言撤回、彩葉もテンションが高かったです。まあ仕方ないか。冷静に考えればいつもの調子の彩葉が迷子になるとは思えないしな。あと食べるの早くない!?俺まだ手つけてないんだけど。


「よかったな。俺のもいるか?そんなに腹減ってないし」


「いいんですか!?ありがとうございます!!」


俺はたこ焼きを1つ爪楊枝で刺し、彩葉の皿に移そうとした。しかし彩葉はあー、と大きく口を開けている。え、もしかしてあーんをしろと言っているのか!?




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