第97話
その日の放課後、俺、綾崎、森宮で空き教室に来ていた。なんでこういうことになったのかというと森宮が『やっぱり3人4脚には練習量より信頼関係があるのが1番っす!』と言い俺と綾崎も納得したのでみんなで改めて自己紹介をしようとなったからだ。因みに俺の友達二人も誘ったがあいつらは部活があるからと血涙を流しながら断った。よほど来たかったんだろうな...来たいんじゃなくて綾崎と森宮と話したいだけか。
「改めまして森宮楓っす!よろしくお願いします!!」
「綾崎彩葉です。よろしくお願いしますね」
「夜見唯桜。よろしく」
全員の自己紹介が終わり急にシンとする。これ俺から話振らないといけないやつか?仕方ない、あまり得意じゃないけど頑張るぞ!こういうときは大体趣味の話だよな。でも俺はあまりこれと言った趣味はないし...そうだ!歌を聞くって言ったら陽キャっぽくね!?よし、これで行こう!
「俺の趣味は歌を聞くこと何だけど二人の趣味って何かあったする?」
「私は運動することっす!何か運動系のクラブに入りたいなって思ってます!!」
「私は動物の動画を見ることですね」
「「「......」」」
話が続かねぇ!!普段陽キャの振りをしているだけの陰キャには初めましての人がいる中での話を回す力なんてねえんだよ!!まじでこの場にコミ力おばけである不破を呼びたくなるぐらいには気まずい。どうしたらいいんだ!?
「ま、まず名前で呼び合うっす!そうした方がより仲良くなっると思うっす!!」
確かに、名前呼びは信頼関係を築く上で大切なことのトップに入るだろうな。
「じゃあそうさせて貰おうかな。よろしく、彩葉、楓」
「こちらこそよろしくお願いします。唯桜君、楓ちゃん」
「私の意見が通って良かったっす!唯桜さんと彩葉さん、体育祭まで練習頑張りましょう!」
「「おー!」」
_____________
後日生徒会にて
「彩葉、そこの書類取ってくれない?」
「わかりました唯桜くん。はいどうぞ」
「名前呼び...だと......!夜見君と綾崎ちゃんがついに付き合い始めたのか!?」
山田先輩が驚いたように俺たちに言う。
「「付き合ってないです!」」
俺と綾崎の台詞が見事に被った。
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