第103話
「筋肉痛がぁー!!」
キッズ達と公園で遊んだ翌日、今日は1時間目から体育があり地獄を見ている。最初のグラウンド1周で力のすべてを使ってしまった。マジで無理。テニスラケット持つだけで腕痛いし!っていうか立てねえ!
「おい!夜見が今筋肉痛だぞ!」
「マジかよ!普段はお互い下手すぎて実力が拮抗するけど今ならフルボッコじゃん!」
「もともと弱い夜見がさらに筋肉痛だなんて泣きっ面に蜂じゃねえか!」
「Where is yorumi?I want to k〇ll him!!」
「全員夜見に勝つぞー!!」
「「「おー!」」」
おいお前ら絶対相手しないからな。このままここでへばってると無理やりでも試合を始めてきそうなので俺は人目のつかない体育倉庫裏に逃げる。ここは最高のサボりスポットで先生にもバレたことがないから今日の終わりまではここでぼーっとしておこう。やばい...あまりにも痛すぎる。これ放課後の3人4脚の練習はできて2回ぐらいだろうな。
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「どうですか?唯桜君?練習できそうですか?」
「数回だけなら...」
結局、放課後になっても俺の筋肉痛は治らなかった。くっそ体育祭は明後日だし明日は各自委員会で事前準備等があるから練習できる最後の日なのに!
「夜見の為にも今日はやらない方がいいんじゃないか?」
「ここで今日練習させて明後日の本番まで筋肉痛が続いたら最悪だしな」
体育の時、俺が筋肉痛だと知った瞬間にぼこぼこにしようとしてきたこいつらがまさかこんなまともで優しいことをいうだなんて...!?
「そういえば唯桜さんは何で筋肉痛なんすか?昨日は全員予定があって練習できなかったのに...」
楓が俺にそう訪ねてきた。公園でキッズ達と遊んでたなんていつもの友達がいる今、口が裂けても言えないし...うん、それっぽく誤魔化そう。そういえばこの前もう嘘はつかないでおこうと言ったな。あれは嘘だ。
「あー、生徒会が終わった後にバイトがあってそれで筋肉痛になっちゃったんだよね」
勿論ケーキ屋のバイトでは筋肉痛になるようなことは一切しないといっても過言ではないし何なら昨日はバイトすらなかったんだけどな。
「では、今日は解散しましょうか」
「それがいいっすね」
綾崎が解散を提案し、皆もそれに賛同する。
「本当に申し訳ない」
こんな大事な時に筋肉痛になってしまった罪悪感がめっちゃ出てくる。
「大丈夫だって夜見!」
「絶対1位取ろうぜ!」
いつもはカスみたいな言動ばっかするこいつらも何故か優しい。
「唯桜君、別に謝らなくても良いですよ」
「そうっすよ!絶対勝ちましょう!」
「あぁ、頑張ろう!」
友達があ!と思い出したように手拍子を打つ。
「忘れてたんだけどさ、夜見ってリレー何番目?」
は?リレー?あー、なんかそんな競技もあったような...今思い出しても本番まで時間もないしもう遅いじゃねえか!!
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