第102話

「お兄さん!こっちだよー!!」


俺達がキッズに話しかけられた後、俺は男の子たちと鬼ごっこを、彩葉は女の子たちとおままごとをすることになった。勿論鬼ごっこでキッズ達に本気で追いかけるとかはしてない。流石にここで本気出すわけにもいかないからな。っていうかキッズの体力無尽蔵すぎるだろ!もう俺は体力の限界が来ているのに対してキッズ達はしんどそうな表情の1つも見せない。俺ももうおじさんということか。俺も昔はあっち側だったのにもうこっち側か...。


「ちょっと休憩させてくれ。もう走れない」


「えー!」


俺は公園のベンチの方に行って座り込む。疲れたー!そういえば彩葉はキッズ達とうまくやってるのかな?そう思い俺は彩葉が女の子達とおままごとをしている方に向かう。


「あのお兄さんと綾崎お姉ちゃんは付き合ってるの?」


偶々キッズ達が彩葉に質問しているのを聞いてしまった。最近のガキはませてるなぁ。まあ最近じゃなくてもガキはいっつもませてるか。


「私たちは付き合ってないですよ」


彩葉はそう質問に答える。


「じゃあ綾崎お姉ちゃんはあのお兄さんのことは好き?」


「はい。好きです。唯桜君はとっても頼りになるんですよ」


恋愛的な意味じゃないって分かっててもちょっと恥ずかしいな。これ聞いているの彩葉にバレたら気まずいしベンチに戻るか。


「だってさ、お兄さん!良かったね!」


「え!?」


彩葉に質問をしていたキッズが俺に話を振る。それに反応して彩葉は後ろを向いて俺が聞いていたということに気付き顔を真っ赤にさせた。ませガキ空気よめよぉー!キッズには空気を読むとかまだ早いかもしれないけど気まずいんだよ!


「俺も彩葉のこと頼りにしてるよ」


ま、まあこういっておけばまだマシだな。俺はここで「俺も好きだよ」とか言えるような精神を持ち合わせていないのでな!


「唯桜君!さっきの話は忘れてください」


「.....善処する」


あんなこと忘れられるわけねえだろ!!


「二人ともとってもお似合いだね!」


_________________

「じゃあね!お兄さん、お姉さん!!」


5時になるとキッズ達は家に帰っていった。5時が門限とか懐かしいなぁ。


「ごめん。キッズ達と遊んでもう3人4脚の練習をする元気残ってない...」


「ずっと走ってましたもんね。では、帰りましょうか」


俺達は公園を出た。


「明日絶対筋肉痛だわ間違いない」


「明日も3人4脚の練習がありますよ」


「うわ地獄じゃん」


俺達は2人で他愛のない話をして帰った。

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