第196話

先生の説教が無事でなく終わった後、俺は自分の部屋に戻った。あいつらアホだしもう俺が逃げた理由とか忘れてるだろ。俺はそうであることを祈りながら部屋のドアを開けた。


「あ!死刑囚が戻ってきたぞ!!」


「囲え!囲え!!」


「夜見という存在を許さない......」


ドアが開いた音で俺が戻ってきたことに気付いた部屋のメンバーはすぐに俺を囲ってもう逃げられないようにした。でもだる絡みから逃げただけでこんなにも詰められるか?


「お前ら、いきなりなんだよ」


俺は理由を尋ねる。


「いきなりなんだよじゃねえんだよ馬鹿野郎が!一人で抜け駆けして女子の部屋に行きやがって!!ふざけんな!!俺も誘え!!」


「人間のクズめ!....もしもう一回お前が女子の部屋に行くときがあれば俺も誘いやがれ!!」


......これは反感買っても仕方ないか。っていうか何で知ってるんだよ!情報渡るの早すぎねえか?だってついさっきのことだぞ!?


「はいはい、次もし行くときがあれば連れて行くよ」


色々話すのが面倒になって適当に返事する。俺は嘘は言わない主義なんだ。もう女子部屋に行かないから誘うこともないし何ならどこに行くとも言ってない。


「え!?まじ!?」


「夜見様を崇め奉れ!!」


「俺一人じゃ勇気が出なかったんだよなぁ。まじでありがとう!」


....なんかここまで感謝されると申し訳なくなってきたな。ないだろうけどもし仮になぜか偶然偶々行くことがあったら連絡してやるか。少しばつが悪くなり誤魔化すようにさっき買ったコーラを飲んだ。


「っていうか夜見は明日の夜あの二人のどっちかに告白するのか」


「____ッ!!」


「あ!」


「きったねえ!!」


同室のやつに突拍子もないことを言われて思わずコーラを吹く。


「は?いきなり何言ってんだ?」


「明日泊まるホテルに夜景が見えるバルコニーがあるらしいんだが、そこにはとある噂がある。どうやらその場所で告白すると絶対に付き合えるらしいんだ。結構みんな知っているけど知らないのか?」


「初耳なんですけど」


え、何そのラブコメ的な展開。こういうのって本当にあるんだ!


「で、夜見。実際のところはどうなんだ?」


「まあ2人とも嫌いじゃないよ」


俺はそう言って濁した。まあ仲のいい友達だしな。でもずっと好意を示してくれている不破に対しては少し申し訳ないとは思っている。


「思ったんだけどお前カスのくせに女癖が悪いって噂はあまり聞かないよな」


「確かに!脅しとかが多いよな」


「その顔面を持ってるのモテないの草ww」


「はいはいモテませんよ。じゃあ俺寝るから」


今日だいぶ疲れたからもう早く寝たいんだよな。


「まあ今日はこのぐらいにしてやるか」


「俺らも寝ようぜ」


そのあと今日はもう寝る流れになり俺は眠りについた。


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