第54話

あの後、先輩たちが話しをしている生徒会室の中で黙々と作業を続け、授業終わりのチャイムが鳴る5分前ぐらいにすべて終わらせることができた。やっと終わったーー!!これで解放された。最初の方は慣れていなかったから1枚1枚に時間かかっていたけど最後の方は慣れてきてすぐに終わったな。そんなことを考えながら俺は片付けをする。もうそろそろ昼休みだから早く購買行かないと!渡された仕事が忙しくて今日は弁当作れてねえんだよ!!仲良く話している先輩たちの邪魔はしたくないしこっそり出るか。音を立てないようにゆっくり歩いていると一人の先輩に声をかけられた。


「...お疲れ」


まさかバレるとは...!小幡先輩にバレてしまって声もかけられたので俺は挨拶を返す。


「お疲れ様でーす」


「「お疲れー!」」


俺が部屋から出ることに気付いた先輩たちも挨拶を返してくれる。昨日の自己紹介の時よりかは俺の印象がマシになっていたら良いけど...


____________________

俺は購買に行って菓子パンを2個買ったあと食べるために教室へ戻った。今日は零はクラブの集会があるって言ってたからいつもの奴らと食べるか。


「夜見君、さっきの英語の授業に出ていませんでしたけど体調が悪かったのですか?」


俺が席に座ると同時に綾崎に声をかけられた。心配してくれているのだろうか?やっぱり綾崎様は優しいんだよなぁ。


「ちょっと生徒会室に行ってたわ。英語の授業受けるよりも作業したくて」


「そうなんですね。体調が悪くなったりしてなくてよかったです。確かに量が多かったですしね」


「なんと、俺はもう全部終わらせた!!」


急に全部終わったことを自慢したくなってきたので言う。あの量を二日で終わらす俺、我ながら天才だと思う。


「夜見君のことですから。もう驚きませんよ」


綾崎は俺のことをなんでもこなせる完璧な人だと思っているのか?先輩からは信頼して仕事を任せてほしいと思うけど綾崎からは信頼されすぎて逆に怖い。俺何か特別なことした!?俺と綾崎が話していると教室にいるクラスメイトの声が耳に入ってきた。


「ちょっと前から思っていたけれど最近、糞野郎と綾崎さん、仲良すぎない?」


「綾崎さんって夜見みたいなクズイケメンが好きなのかな?」


「そうかもー。ちょっといがーい」


最近はあまり気にしてなかったけれど綾崎のためを思うとあまりかかわらない方がいいのか?あとクズが好きなのは綾崎じゃなくて不破なんです!!綾崎も聞こえてしまったようだ。ちょっと顔を赤くしている。恥ずかしいのだろう。綾崎が可哀そうだからちょっとあの女子たち黙らせるか。


「おいお前ら」


「な、なに?」


女子たちは俺が声かけただけでちょっとビビっている。俺嫌われすぎだろ。


「あまり俺の話をこそこそと話すなよ。何か俺に言いたいことがあるなら面と向かって言え」


「な、なにもないし!」


「ならよかった。もう二度としないでくれ」


雑魚GG。俺は女子たちを蹴散らして(言葉で)自分の席に戻る。ずっと俺の席の近くで立っていた綾崎はにやにやしながら話しかけてきた。


「ありがとうございました。よく頑張りましたね。えらいです」


俺がクズのふりをしていることを知っている綾崎には俺が一生懸命演技しているようにしか見えなかったのだろう。


「うるさい!!」


煽ってくるな!!

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