第205話
さっき不破さんとトイレに行く振りをして少しお話した。私が唯桜くんのことを恋愛的に好きなのかと聞かれたがその質問に対して答えることができなかった。でもその話をした後に唯桜君を見るとなんだかとてもかっこよく見える。前からもイケメンと思っていたけれどいつもとは少し違う感じがする。
「一体この気持ちは何なのでしょう?」
私は考えていると手に持っていたスマホを落としてしまった。
「あっ!」
「はい、どうぞ」
私が拾うよりも早く少し後ろにいた唯桜君が落ちたスマホを手に取った。そのまま私に渡してくれる。私は唯桜君の目を見て感謝を述べようとしたが顔を見ると咄嗟に目をそらしてしまった。
「あっ、ありがとうございます」
わざわざスマホを拾ってくれた人に対して無意識のうちに失礼な行動をとってしまった。謝ろうと思い、唯桜君の顔を見たが少し変な感じになりすぐに目をそらしてしまう。
「まだ途中だけど彩葉はこの修学旅行で何が一番印象に残ってる?」
そんな私に気を使ってくれたのか話題を振ってくれた。
「本場のたこや…」
たこやきと言おうとしたときにたこ焼き屋で起きたことを思い出してしまった。そう私の飲みかけであるペットボトルの水を唯桜君が飲んでしまった件だ。
「本場のたこや…い、いえやっぱり何もないです!わ、私ちょっとお花摘みに行ってきますね」
私はとたんに恥ずかしくなり近くにあったコンビニに駆け寄った。
_________
「綾崎さんじゃん!」
「あ、お疲れ様です」
「難しい顔して何か悩み事でもある?私達でよかったら相談に乗るよ」
何で上手く話せないんだろう?そう思い考えている綾崎にクラスメイトの女子2人が声を掛けた。
「実は今まで仲良かった男性とさっきから上手く話せなくて…。目を合わせることもできないんです。どうしてなんでしょうか?」
『『絶対夜見のことじゃん!』』
彩葉の告白に2人の心の声がハモる。そして2人は意を決して口を開いた。
「あのね、世の中には好き避けって言葉があるの」
「好き避け、ですか?」
綾崎はその言葉を初めて聞いたのか頭を少し傾げた。
「そう!好きすぎて目も合わせれないし上手く話せないしその人を避けちゃう!みたいな」
「もしかしたらそれなんじゃないかな?」
「確かに良く当てはまります!じゃあ私は唯桜君のことが…」
綾崎は考え事をしているかのように顎に手を当てた。
『『いや、名前言っちゃったよ!!』』
またしても2人の心の声がハモる。
「相談に乗ってくださりありがとうございました。よく向き合って考えてみます!」
思考がまとまったのか、そう言って綾崎は自分の班のところへ向かった。
「「綾崎さん、可愛いすぎるでしょ!」」
2人の声がまたもハモった。
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