第78話
「じゃあまた明日ー!」
「唯桜ー!また明日ー!!」
俺は零と弁当を食べ、自分の教室へ向かう。1日クズのフリを辞めるのはちょっと気軽で楽だな。あ!不破がいる!!いつものクズの俺だったら無視してるけど今日ぐらい手を振ってみよう。俺はそう思い、不破に小さく手を振った。不破は俺に手を振られていることに気付いたのか驚いたような顔をしながら手を振り返してくれた。
「え!?ちょっと待って!!最高なんだけど!!」
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「夜見君!どうしちゃったんですか?」
その後、俺が教室に戻ると綾崎が駆け寄って話しかけに来た。そういえば綾崎には今日1日優しくすることを言ってなかったな。そりゃあ驚くわ。俺も綾崎がある日突然クズになってたら驚くもん。
「あぁ、実は昨日友達に夜見が1日優しくなったらどうなるんだろうって言われてさ。今検証してるんだよ」
俺は綾崎だけに聞こえる声で答えた。周りに聞かれたら不味いからね。
「そういうことだったんですね!今日は朝からクラスの皆さんにも優しくてびっくりしちゃいました」
綾崎は皆に聞かれてはいけないことだと察したのか俺にしか聞こえない声でそう言った。
「あ、後今日の生徒会は中止になったらしいです!それでは!!」
「おっけー」
そろそろ授業が始まるので綾崎は自分の席に戻った。席が前の友達はこっちに椅子を向け小声で話しかけてくる。
「流石にお前モテすぎじゃね?」
「それは違うだろ。俺が急に優しくなって驚いてるだけだよ」
「俺はそうだとは思わないけどなぁ」
そう言うと友達は椅子を前に戻して次の授業の準備を始めた。なんだコイツ。
___________
「夜見、今日の放課後って空いてる?」
俺が教室から出ようとするとクラスの陽キャ女子数人から話しかけられた。え?何?怖いんだけど....。
「空いてるけど....」
「じゃあ一緒にカラオケでも行かね?」
「えぇっと.....」
想像の斜め上のことを言われた!!これなんて返事すればいいのだろうか?あー、こんな時大体メンツ聞いといたほうが良いか。
「誰が来るの?」
「うちらと他校の男女数人だよ」
うわどうしよう絶対俺の話し相手いないじゃん....あ!そうだ!!俺はたまたま視界に入ったいつもの友達を指さしてこういった。
「こいつも一緒に連れて行って良いか?」
「え!俺!?」
「勿論良いよ」
よし、道連れにしてやったぜ!!これで話せるやつは少なくとも1人は確保だな。断りそうな雰囲気の友達に俺は耳打ちをした。
「他校の女子も来るらしいぜ」
「絶対行く」
ふっ、チョロいもんだぜ。
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