第114話
「なんか今回のテスト今までよりも難しかったくね?」
「それな!流石の夜見パイセンも点数低そうなんじゃないかぁ?」
「え、俺はいつも通りだったけど...」
「くそ天才が!」
「何でこんなクズが俺達よりも頭がいいんだよ!おかしいだろ!!」
クリスマスイブ前日、すべてのテストが終了した俺達は教室でテストの出来について話していた。皆が言うには今回のテストはいつもよりも難しかったらしい。俺はその違いわからなかったけど。これが天性の才能ってやつか。
「そうだ!明日から冬休みで毎日会えるわけではなくなるからいろんな人誘ってカラオケ行こうぜ!」
「賛成!」
友達がそう言って来た。俺も行きたいのは山々なんだけどなぁ。
「ごめん。バイトが入ってて今日明日明後日は忙しいんだよな」
俺はそう言い断る。ケーキ屋でバイトをしている人がクリスマスシーズンに休みを貰えるわけがない。店長はゴリゴリのヤクザみたいな見た目してるけど話せば優しいから本気で頼み込めば休み貰えそうな気がする。まあ店長にもバイトの先輩にも迷惑かかるからとんでもないことが起きない限り休まないけどね。
「お前このクリスマスシーズンに忙しいってもしかして女か?」
「可能性が一番高いのは綾崎様、二番手に転校生の森宮さん、その二人以外なら生徒会の先輩たちか.....」
こいつら何無駄な考察してるんだよ。
「バイトって言ってんだよ!クリスマスイブとクリスマスにいろんな奴らがいちゃついてる中必死に働いてるんだよ!まあ時給良いからうれしいけど」
「乙ー!クリぼっちバイト頑張れよ!カラオケ行くかぁ」
「よし!男誘いまくって全員でお〇わっか歌うぞ!!」
さっきまで行きたいと思っていたけれど最後の言葉を聞いて全く行きたくなくなった。うん、これでバイトに集中できるな!!
_______________
俺がケーキ屋のロッカールームに入ると店長が座って休憩していた。
「あ、店長お疲れ様です」
「おぉ、夜見やっと来たか!クリスマスイブ前日なのに思った以上に忙しくてな。早速レジに入ってくれ」
「了解です」
俺はすぐに用意を終わらせ、店長に言われた通りレジに入る。店長は見た目だけが本当に怖いためお客さんを驚かせたりしないように余程の人材不足の時じゃないとお客さんの前に出ない。俺も面接のとき店長が店の奥から出てきてやばいケーキ屋を選んでしまったか!?って思ったもん。
「先輩、お疲れ様です」
「夜見君!やっと来たか!!仕事分担するよ!」
先に来ていた先輩がずっと一人でレジの対応していたらしい。えぐい仕事量だったと思うけど普通にすげえな。俺が関心していると早速お客さんがやってきた
「いらっしゃいませー!.....あ!」
「え!?唯桜っちじゃん!!」
なんと、やってきたお客さんは不破だった。名前呼ばれたからバレたの確定してるし!ケーキ屋のバイトって言うの恥ずかしいからまだ誰にも言ってなかったのに!!
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