第112話
次の生徒会の日、俺と彩葉は先輩たちよりも早めに生徒会室に着いていた。どうやら俺達はもうすべての授業が終わったが先輩たちはまだ一授業残っているみたいだ。
「体育祭も終わったし次はテストか」
「また勝負しますか?」
「まじで勘弁してくれ」
もう前のテストみたいにゴリゴリに勉強していくのは嫌なんだよ。あの時は罰ゲームがあったから死に物狂いでやったけど。
「暇だなぁ。生徒会室にあるもので何かするか?」
俺はそう言いながら生徒会室の棚を漁る。
「そういえば私達まだ生徒会室に何があるのかあまり把握していませんよね?これを機に探索してみましょう!」
そういえばこの前オセロ以外に会長たちが将棋をしていたような.....ああいう物ってどこで保管されてるんだろう?俺が疑問に思ってそれらを探していると彩葉が何かを見つけたようだった。
「唯桜君唯桜君!5つのサイコロが入った袋と台を見つけましたよ!」
彩葉がそれを俺に見せてくる。それヨットじゃん!実物初めて見たんだけど!なぜ生徒会室にあるのかは謎だがやってみるか。
「それは多分ヨットだよ。1回やってみる?」
「やってみたいです!」
_______________
「い、彩葉...お前なんか運良くね?」
「そうなんでしょうか?」
俺もヨットのルールを完璧に覚えているわけではないのでスマホで調べながら遊んでいたのだが彩葉が圧倒的に役をそろえるのでぼこぼこにされている。1発目にヨット出されたんだぜ?頭おかしいだろ!!俺達は全役が埋まったので各自の点数を数える。
「ええと...彩葉の点数が252点で俺の点数が194点だから圧倒的に彩葉の勝ちだな」
「1回目で1番点数の高いヨットが出たのは驚きましたね.....」
「俺もうその時点で負け確信したぞ」
俺達がヨットの感想を言い合っていると先輩たちが生徒会室に入ってきた。どうやら授業はもう終わったみたいだ。
「進路を決めるって私達まだ二年生なのにー!」
「でもあっという間に入試が来るのよ?早めに決めておかないと!」
「何も.....思いつかない.........」
「かなり待たせてすまなかったね。ん?そのヨットはこの部屋にあったものかい?」
会長がヨットに興味を示す。今俺には会議の時間がヨットでめっちゃ削られて急いでやる未来が見えたぞ。これはまずい。会長の目が輝いちゃってるもん!!
「はい、今日の会議が終わって時間が余ってたら先輩たちもやりましょう」
「では今日の会議は早く終わるようにしようか」
会長って本当にゲームが好きだなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます