第146話

「あのさ、ちょっとは姉のメンツを立ててもいいんじゃない?ほら、これ私のチャンネルだし」


「弟に手を抜いてもらって何とか勝てたという称号が名誉だと思うんだったら全然手加減するぞ」


俺と姉貴の3先のタイマンが始まって、最初の1回は負けたがそのあとコツを掴んだ俺が2連勝をして今4戦目をやっている。これに勝つと俺は姉貴に勝てるな。形勢っていうか相手のアーマーも割れてるし本当にあと少しで勝てそうだ。余裕だしちょっとコメント見るか。戦いの途中にコメントを見るとか怠慢だな。タイマンだけに。(極寒激寒氷点下ギャグ)


コメント

:え!?弟君ヤバくない!?

:あれ?今負けてる方って前シーズンソロマスだよな?わからなくなってきた

:これが初めて1時間しか経ってないわけなくね?流石にやらせだろ

:この人が低ランク帯に来るかもしれないと思うと怖すぎる


皆俺の強さに驚いたり褒めてくれたりしてる!いやぁ、学校ではいつも陰口を言われているから褒められたりするのは新鮮だな。.....え、なんかやらせだと思われてるんだけど!?まあそれについて弁明するとよりやらせっぽくなるから無視するか。


「ねえ何か強くない?本当に初めて?」


姉が俺にそう聞いてきた。実況動画とかは数回見たことはあるが実際にやるのは今日が初めてだ。


「俺が本当の天才ってこと忘れてない?」


「うわ!弟は私と違って頭滅茶苦茶良いの忘れてた!!くそぉ、高校生活すべてを才能と予備知識だけで乗り切ろうとしてる化け物め!!」


「あ、そこにいたら.....」


雑談をしながらやっていると一瞬だけ姉貴が操作しているキャラクターへの射線が通っていた。俺はその隙を見逃したりせず、すかさず撃ち倒した。


「負けたんだけど!?初めて一週間の初心者に!?」


「まあ楽勝だったかな」


「うっざ!!」


俺と姉貴の姉弟タイマンは俺の圧勝だった。でも、姉貴とゲームすることなんてあまりなかったから結構楽しかったな。


「で、どうする?この後試合する?」


俺は姉貴にそう尋ねる。俺的には楽しいからしたいけどもう疲れてきているからどっちでもいいけど。


「いや、もういい時間だし終わろっかな。負けて萎えたし」


「おっけ」


「じゃあ皆明日は弟がいない普通の配信だけど是非よかったら見に来てね!バイバイ!!」


「お疲れさまでした」


俺がスマホで確認していた配信画面がCMに入った。配信はもう終わったようだ。いやぁ、俺ゲームの才能があったんだなぁ。運動の才能も欲しいとまでは言わないけど人並みにできるようになったらいいのに.......。

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