第179話

まずは不破から誘うか。だってあいつ普通に陽キャで友達多いから後回しにしておくともう誰かと約束をしていて詰む可能性があるんだよな。別に後回しじゃなくてももう班が決まっていて詰んでいる可能性も十分にあるけど。えーっと、不破は確かあそこの席だから.....あ、いたいた。でも周りに他の陽キャ女子たちがいるな。話しかけにくい。だって近くにいるだけですぐ睨みつけてくるんだぜ?.....でもこれは勇気出すしかないかぁ。俺は覚悟を決め、不破のもとへ向かった。


「お!唯桜っちじゃん!唯桜っちの方から来てくれるなんて珍しいね。何かあったの?」


不破は俺が向かっていることにすぐ気付き話しかけてくれた。自分から話しかけるの怖かったからありがたい。周りの女子から睨まれることには変わりないんだけど。おいお前ら!なんか文句あるなら口で言えよ(心の中だから強気)!


「なあ不破、修学旅行の自由行動の班ってもう決めてるか?」


「え!?もしかして私を誘ってくれてるの?」


まじで話が早くて助かる。4人ぐらいからずっと睨まれるから居心地悪いんだよ。


「あぁ、そういうことだ」


「まじ!?絶対一緒の班になろうね!!」


「わかった。じゃあな」


俺は不破が了承すると同時に、すぐさまその場から逃げる。周りの女子たちは俺と不破の班が一緒になることに不満気だったが何も文句は言ってこなかった。多分俺が怖かったんだろう。こういうもんは早いもん勝ちなんだよバーカ(心の中だから強気)!!次は...お!彩葉と楓が2人で話している。ジャストタイミングじゃん!!早速誘いに行くか。


「なあお前ら、話の腰を折るようで悪いがちょっといいか?」


「どうしたんですか夜見君?」


「2人とも修学旅行の班一緒にならない?」


俺はそう2人に尋ねる。


「いいんすか!?私は全然オッケーっす!!」


「私も良いですよ。むしろ一緒の班に入れてくれるなんてありがたいです」


「じゃあそういうことでバイバイ」


よし!これで6人そろったぜ!お正月のカラオケメンバーと全く同じだから初顔合わせとかないし気まずくなることなく遊べるだろ。じゃあ全員おっけーだったということを友達に伝えに行くか。


「おいお前ら!スーパー天才夜見のお陰であの3人から許可貰って来たぞ!!」


俺はあいつらの前に行くとそう報告をした。


「え!?まじで全員オッケーだったの!?」


「絶対全員は無理だと思ってた」


それには俺も同意見だ。特に不破はもう班決まってると思っていてダメ元で聞いたからな。修学旅行結構楽しみになってきたなぁ!


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