第180話
「よし!仕事も終わったので先帰ります。すみません」
「わかった。気を付けて帰るんだよ」
俺の報告に会長は了承する。今日は近くのカフェの新作ケーキの発売日だから一刻も早く帰りたかったんだよな。昨日の内に殆ど終わらせておいて良かったな。
「お疲れ様でーす!」
俺は荷物をまとめ生徒会室から出る。そういえば2年生に上がってからよく視線を感じることがあるんだよな。クズがいるって見られているだけかと思い、放っておいたら収まると考えていたがそんなことは無く全然見られているような感覚に陥る。っていうか今も見られている気がする。一応周りを見渡してみるが誰もいない。怖い!俺ホラーとか無理なんだって!!俺は急いでその場から離れた。
______________
校門をでて数分後、また誰かに見られている気がする。視線って向けられていると意外とわかりやすいんだなと思いつつあたりを見渡す。
「やっぱり誰もいないよなぁ......うわっ!」
「きゃあ!!」
これ何なんだろう?そう思いながら曲がり角を曲がったとき1人の同じ高校の1年生らしき女子とぶつかった。ここで優しくするのはあんまり良くないよなぁ。俺が何て声を掛けようか考えていると女の子が持っていたのであろう写真が地面にブチ撒かれているということに気付いた。こうなったのは俺のせいだし流石に拾うか。そう思い俺は地面に撒かれた写真を手に取る。
「あっ!大丈夫です!!見ないでください!!」
俺が写真を拾っているのを見て女子はそう俺に言った。まあもう拾ってるから遅いんだけどね。本人がそう言ってるんだしさっき拾ったのは返すかと思い、写真を差し出そうとしたときにどんな写真なのか視界に入ってしまった。
「え!?俺!?」
「........」
そう、地面に落ちてある写真が確認できる範囲、全部俺の写真だったのだ。え!?どういうこと!?最近あった視線を感じるのってこの1年が原因!?でもなんで俺?やばいこれ考えれば考えるほどわからなくなる。
「これ、どういうこと?」
俺は取り合えず俺の写真を1年に見せそう尋ねた。
「わ、私からは詳しく言えないです!ごめんなさい!!」
「そうか。まあ今ある写真のデータと写真を全部捨ててもう二度と俺のことを取らないんだったら許してやるよ」
普通だったら訴えてもおかしくないレベルだぞ!?めんどくさいからそう言うのはしないけど。
「それは難しいかもしれないです.....」
別にそのぐらい簡単だろ。俺がそう思っていると後ろから3人の女子がやってきた。
「私達から説明します!」
うわ!なんか出てきた!!
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