第194話

「何で夜見がここに!?」


「えぇ、テンション下がるんですけど......」


俺がいることに気付いた女子たちは明らかに落胆している。まあ、そりゃそうだろうな。


「こら!不破ちゃんと綾崎ちゃんの前でそんな事言ったら駄目でしょ!」


観念して自分の部屋に戻るかと思い、俺が彩葉と不破からバレないように帰ろうとすると後ろから俺を庇う声が聞こえて来た。.....いや、これ俺を庇ってるんじゃなくて俺と仲が良い彩葉と不破が俺の悪口を聞いて傷つかないようにしてるだけだな。この言い方だと2人の前じゃなかったら言っていいってことになるし。うん、戻ろう!俺は決心し部屋の外に出ようとする。


「あっ!何帰ろうとしてるの!?唯桜っちも一緒にトランプしようよ!!」


だがしかし、俺が帰ろうとしていることに一瞬で気付いた不破が俺の腕をつかんで阻止してきた。


「おいお前空気読めよ!」


「なんのこと?」


俺と不破で言い合いをしているともともとこの部屋にいた女子の1人が口を開いた。


「っていうか男子は女子の部屋に入ったらダメなんだけどね」


.......確かに!冷静に考えてみたらそうじゃん!!男子が女子の部屋に入って良い訳ないじゃん!!


「あいつが言うにはそうらしいぞ!じゃあ俺は戻るから!また明日な!!」


それを聞いて俺は勝ち誇った顔で不破にそう言った。いやぁ、論破は気持ち良いっすわ。そんなことを考えながら部屋から出ようとすると廊下の方から声が聞こえて来た。ま、まさか....恐る恐る顔を覗いてみるとそこには見張りをしている先生の姿が見えた。


「ちょ、先生いるって!」


俺は部屋の中に戻り皆にそう告げる。やばい!部屋戻れないんだけど!?


「まじ!?」


「今バレたら私達も怒られるんだけど!」


俺の言葉に女子たちもパニックになる。まじで迷惑かけて申し訳ない。でも本当の戦犯は無理やり連れて来た彩葉と不破なんです!!


「と、とりあえず唯桜君は押入れの中に隠れてください!」


「わかった!!」


俺は彩葉が開けてくれた押入れに急いで入る。多分これで一旦はバレないだろう。え、俺いつまでここにいたらいいの?



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