第137話

「ただいまー」


「唯桜おかえり~!で、チョコ頂戴」


俺が家に帰ると姉にチョコをせがまれた。毎年、女子から嫌われてる俺がチョコを貰うなんて毒が盛られてるに違いないと思い、姉に一部を食べさせていたからな。

本当は姉貴が俺にチョコをあげないといけないのに何で俺があげてるんだろう?まあいい毒見役をしてもらってるしいっか。


「ちょっと待ってて。今分けるから」


俺は手を洗ったり着替えたりしてから今日貰ったチョコを持って台所へ向かう。彩葉や不破、生徒会の先輩たちから貰ったやつは別に毒見してもらわなくてよくね?ほかの人たちはまだしもあの人たちから毒を盛られているとは思えないし。俺天才じゃん!そう思いそれらのチョコはカバンの中に入れたまま取り出さなかった。


「はい、分けたよ」


俺は取り分けたチョコを姉に渡す。これで今から俺がトイレに行ってその間に姉が倒れていなかったら俺も食べていいな。

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姉貴の様子を見るに多分毒が入ってないので俺も取り分けておいたチョコを食べていた。


「やっぱり唯桜は私と一緒でよくモテるね」


「俺も姉貴もモテてねえだろ」


チョコの数は他人より多いとは思うが友好関係があるからだろ。生徒会とか体育祭の3人4脚メンツとか。後姉貴がモテてたとかありえないと思うんだけど。


「私学生の時は結構告白されてたんだよ。全部断ってたけど」


えぇ!?ありえねえ!そいつら見る目なさすぎるだろ!!(失礼)


「もったいねぇ。姉貴のことを好きになる人なんて今後もう二度と出てこないんだから」


「だって、あの時はやりたい仕事があったから彼氏なんて作ってる暇なかったし」


「やりたい仕事ってニートのことか?自宅警備員は仕事じゃないんだよ」


「違うし!今はニートじゃないし!!あ、そうそう今度私のやってるチャンネルの配信出てくれない?」


姉貴がいきなりそんなことを言って来た。読モもやって顔が全世界に出てるから俺はもう失う物もないし別にいいけど(無敵の人)。


「いいけど何すんの?」


「ゲームをちょっとやるだけだよ」


それなら全然いいか。チョコを食べながら姉弟で雑談をしていると家のインターホンが鳴った。ウーバーするような時間帯でもないし多分姉貴がゾンアマで注文したものが届いたのだろう。


「俺出てくるわ」


「よろしくー」


俺は玄関の靴箱の上に置かれてあるハンコを手に取りドアを開けた。


「本当に唯桜さんが出てきたっす!」


「ここが唯桜君の家なんだから当たり前ですよ」


「楓と彩葉!?何か用?」


え!?なんで俺の家まで来たんだろう。忘れ物とかあったっけ?確かなかった気がするけど....。本当にわからない!こっわ!!


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