第138話
「実は...」
楓が何か言おうとしたが、俺がなかなか戻らなかったからなのかチラッと見に来た姉貴の言葉に打ち消された。
「えぇ!?バレンタインデーに女子が二人も!?こ、ここで立ち話するのもあれだし入って入って!」
おい今楓が何か言おうとしてただろ!姉貴の言葉のせいで聞こえなかったぞ!!でも確かに姉貴の言う通りここで話すのもあまりよくないな。
「話は中に入ってから聞くから。外は寒いだろうし上がって」
「は、はい!お邪魔するっす!」
「お邪魔します」
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リビングは今から姉貴が見たいテレビがあると占拠されたので俺の部屋に2人を案内した。
「ちょっと待って、今飲み物出してくるから。...モ、モンエナでもいい?」
この前姉貴が『配信者たるものモンエナは必須!!』とか言って大量に箱買いしたのがあるんだけど絶対姉貴1人で飲み切れる量じゃないんだよな。どれだけ耐久配信してもあの量は無くならない。後先考えないのマジで馬鹿だと思う。
「いただきたいっす!」
「モンエナ...初めて飲みます!!」
俺は2人から了承を得て、冷蔵庫からモンエナを取り出し持って行って2人に渡す。家に来てくれたお客さんにモンエナを渡すとかシュールすぎるだろ。
「あ、そうそう。何かあったのか?急ぎの用事とか」
俺は本題を思い出し楓に尋ねる。家にあげて色々準備したから忘れてたわ。
「唯桜さん、これバレンタインチョコっす!まあ市販のやつですけど....」
「いやいや、もらえるだけでうれしいから」
「実は今日がバレンタインデーってこと忘れてたんっすけど、でもこの学校に来てから唯桜さんにはとてもお世話になったのでどうしてもあげたくて彩葉さんから聞いて家を教えてもらったっす!」
「そんなに何かしてあげたっけ?まあありがとうな」
別にくれるんだったら明日でも良かったのに。そんなに転入してきたからって特別に何かした記憶ないけど....。でもわざわざ来てくれて結構うれしいな。
「あ、折角来てくれたんだし何かするか?マ〇オパーティーとか人〇ゲームとか」
このままチョコだけもらってはい、帰れって訳にもいかないしな。彩葉は門限があるって前に言ってたけど全然時間あると思うし。
「私、人〇ゲームをやったことないのでやってみたいです」
「私は皆に合わせるっす!」
「じゃあ〇生ゲームをやるか」
最近出たばっかりの携帯ゲーム版を姉貴が配信で使うからと言って買っていたのでカセットを盗んで俺の部屋にあるゲーム機にぶっ刺した。俺が1番の富豪になってやるぜ!
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普段は毎週木曜日は休みですが今日は時間があったため投稿させていただきました。
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