第136話
「結局チョコの数圧倒的に夜見のほうが多いじゃねえか」
「お前女子から嫌われてるから勝てると思ったのに....もう帰ろうぜ」
「そんなにチョコもらいたいんだったら欲しい欲しいって女子に聞こえるように言ってたら良かったのに。あ、今日俺生徒会だから先帰っといて」
「じゃ、また明日」
放課後、結局貰ったチョコの数が俺より少なかった友達は俺に文句を言いに来た。チョコの数が少ないのは自分の実力不足だろ。......知らんけど。よし、生徒会室行くかぁ。
______________
「お疲れ様でーす」
俺はそう言って生徒会室のいつも自分が座っている席に座る。友達かまって少し遅れたから俺と彩葉以外全員集まってるじゃん。集合時間は過ぎてないし別にいいよな。そういえばを彩葉は何で来ていないんだろう?いつも俺と一緒に行くか俺よりも早くいるのに。
「あ、夜見君キタキタ!はいこれ、チョコだよ!」
そう言って山田先輩は俺にチョコを渡してくれた。
「良いんですか?ありがとうございます」
「夜見君、僕からもあるよ。昨日僕の家で皆でチョコを作ったからね」
「喜んで貰えると嬉しいわ」
「綾崎ちゃん....危なかった.......」
「先輩達、ありがとうございます。ホワイトデーにお返ししますね」
成る程、俺以外の生徒会メンバーで会長の家に行ってバレンタインチョコを作ったんだな。彩葉が危なかった?あぁ、そっか。彩葉、料理全くできないもんな。先輩達、ヒヤヒヤしただろうなぁ。まあ当たり前なんだろうけど俺だけハブられるのちょっと悲しいな。
「ごめんなさい遅れました!!」
彩葉が息を切らせながら生徒会室に入ってきた。どうかしたのだろうか?
「唯桜君、バレンタインチョコです」
「ありがとう。嬉しいよ」
料理するのが下手....オブラートに包んで言うとあまり得意ではない彩葉が一生懸命作ってくれて普通に嬉しいな。
「バレンタインチョコ家に忘れてきてしまって急いで取ってきました」
「わざわざ!?別に今日じゃなくても良いのに」
俺達がそんなに会話をしていると先輩達がコソコソと話をしていた。
「私ね、夜見君って全然クズじゃないと思うんだ。だってあんなに優しいし」
「丁度私もそう思ってたわ。噂って本当のことなのかしら」
「案外....嘘だったりして........」
「ウンウン、タシカニソーカモシレナイナ」
おい会長そんな棒読みだったら一瞬でバレるだろ!!もっと自然な感じにしてくださいよ!!
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