第135話

「夜見!お前はバレンタインチョコ何個貰った?俺はもう1個貰ったぞ!!」


「俺も1個貰った!あれれ?夜見君、まさか貰ってないなんてことはないよなぁ?」


2月14日の朝、いつも通り席に座って本を読んでいた俺にチョコを貰って余程うれしかったのか友達が自慢しに来た。うん、さっきクラスの女子が皆にチロルチョコ配ってたもんね。俺はもらえなかったけど。いやー、どうしてだろうなぁ?(棒)


「おう、クラスの女子が義理チョコ配ってくれてて良かったな」


「おい、話そらすなよ」


「そうだそうだ!何個貰ったか言え!まあ貰ってないんだろうけど!!」


こいつらの溢れ出る自慢から来るこの笑み!さっき俺がチロルチョコの配給を受け取っていなかったことをしっかりと把握し俺に勝つことを確信してやがる。だが、その愉悦に浸ったような表情を絶望に変えてやるぜ!


「登校中に6つ貰ったよ。4人は顔に見覚えがあったから多分中学の時の後輩で他の人は見たことないから多分初めまして」


「はぁ!?知らない人から貰うとか現実でありえるのかよ!!」


「ま、まあ6つとか!お、俺でも余裕だし!!」


ふっ、またこいつらに圧倒的な差を見せつけてしまったな。あと最後の奴、早くサレンダーしろよ。そんな無駄なマウントを取って気持ちよくなっていると教室の入り口あたりから大きい声で俺を呼ぶ声が聞こえた。


「唯桜っち~!これ、バレンタインチョコ!」


あ、そうか。学校では嫌われてるから0個だと勝手に思っていたが不破がいるじゃん!俺は不破の元まで向かう。


「はいこれ。がんばって昨日作ったんだからね!あ、あと勿論義理チョコじゃないからね!!」


不破が渡してくれたチョコをしっかりと受け取る。


「あぁ、不破。ありがとうな」


俺は不破に礼を言う。


「じゃ、じゃあね」


不破は手を振って自分の教室の方に戻っていった。普段こういったイベントって別に何とも思わないんだけどバレンタインだけはみんなからチョコがもらえるから普通にうれしいんだよな。やっぱり甘いものは正義!!


_________

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