第59話
クレープを買った俺達は何か行きたいところがあるわけでもないので適当に学校中を回っていた。
「夜見君夜見君!あそこ行きましょう!!」
綾崎がこんなにも自分から行きたいって言うって珍しいな。どんなお店なんだろうと思い、俺は綾崎が指した方向を見る。
「おお、いいぞ...ってお化け屋敷じゃねえか!」
ふざけんな!俺がホラー系が無理ってこと合宿の時の肝試しで知っているはずだろ!あの時に見た少女がいまだに誰なのかわからなかったし本物の幽霊だったのかもと思って軽いトラウマなんだよ!!
「はい!苦手なものは克服しましょう!」
「そうなんだ。すごいね。じゃあ俺はここで待っているから俺の分まで楽しんできて」
「何を言っているのですか。一緒に入りますよ」
綾崎に腕をがっちり握られそのまま連れていかれた。くそっ!さらっと言えば逃げ出せると思ったのに!!
「一人300円です」
綾崎が財布を取り出し受付の人にお金を支払う。後で俺の分を渡しておかないと!で今はそんなことよりもお化け屋敷に入りたくない。
「早く覚悟を決めてください!行きますよ!!」
お、鬼だ...!で、でも合宿の時の肝試しより怖いはずがないし大丈夫だろ。
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「こ、怖かったぁ!」
俺たちは無事?お化け屋敷から脱出することができた。流石にホラーが苦手なのは克服できそうにないな。
「そうでしたか?全部人じゃなくてぬいぐるみやかかしだったじゃないですか?」
「無機物が一番怖いんだよ!あいつら普段物理法則にならった動きしかできないくせにこういう時だけ首曲げたりこっち見てきたりするんだよ!!」
人じゃなかったところの利点は俺がめちゃくそにビビっているところを見られなかったところぐらいだろう。
「話がいつもにも増してキレキレですね...」
「あー、もう終わったことだしいいや。次どこ行く?お化け屋敷以外な」
過ぎたことをごちゃごちゃ言っても何にもならないので切り替えて綾崎に次ぎ行きたい場所を聞く。
「そうですねぇ...あ!体育館でペアで出るクイズ大会があるらしいですよ。一緒に出ましょう!!」
「そんなのやってたのか。まあ出ても良いな」
ペアのクイズ大会があるだなんて知らなかった。他にクレープ食べてお腹いっぱいだし、行きたいところもないし出るのもいいかもしれないな。
「確か優勝したペアにはそれぞれアマギフ1万円分渡されるらしいです!!」
「よし、絶対優勝するぞ!!」
俺と綾崎の頭脳で絶対優勝してやる!!
「はい、出場するのなら狙うは優勝のみです!」
綾崎から誘って来たので綾崎ももちろん乗り気だ。アマギフは誰にも渡さねえ!絶対優勝して一万円ゲットだぜ!!
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