第69話
「綾崎危ないって!!」
ダンッ!!ダンッ!!と包丁を叩き落として人参を切っている綾崎が危なっかし過ぎて見てられない。何でも器用にこなす王女様のはずなのに料理になると壊滅的だな。
「そうですか?怪我はまだしてませんが...」
「『まだ』してないだけだろ?そのやり方だったらこれから絶対怪我するから!!頼むから合宿のとき俺が教えた通りにやってくれ!!」
「あれはやべぇわ...王女様でもできないことがあるんだな...」
「綾崎さん!頑張って!!」
班員の人も綾崎1人に任せるのはやばいと思ったのか俺が綾崎に付きっきりで教える事に反対しなかった。あの包丁の持ち方はいつ怪我をしてもおかしくない。前教えたじゃん!!
「ええとまず包丁はこう持って!そして空いた片手は猫の手で人参を押さえつけて!」
「そういえば前もそう教えてもらった気がします!わかりました。猫の手ですね」
はぁ、これで切るという作業は完璧だな。綾崎は頭がいいから教えたことを吸収するスピードが早いからな。でもまだ教えてないことは...。俺が綾崎が怪我しないか心配して見ていると綾崎が包丁の側面にくっついた人参をどう取ったら良いか分からず摘んで取ろうとしていた。危ないって!!
「ちょっと包丁貸して。綾崎、そういうのはね、こうやってまな板の上に落とすの」
俺は包丁を取ると側面に沿って指をスライドし、くっついていた人参をまな板の上に落とした。次からはしっかりできるはず。教えたら完璧にできる子、それが綾崎だ。
「わかりました。次からそうします!」
俺も何かしとかないといけないと思い、ジャガイモの皮をピーラーで剥きながら綾崎を危険から守ることにした。切ってもらうのは綾崎にやってもらうか。ん?あれ!?もうこんな時間!?蒸すのを待つ時間も必要だしこのままのスピードじゃ時間が.....あーこれは俺がもうちゃちゃっとやった方がよさそうだな。俺のミスに気付いたと同時に綾崎は人参を切り終わり俺もジャガイモの皮を剥き終わった。
「すまない綾崎。実はもう時間がなくって間に合わせるために俺が切っちゃていいよね?」
「もちろんです」
綾崎は包丁おいて手を洗う。俺はおかれた包丁を手に取り皮を剥いたジャガイモを素早く乱切りにする。普段弁当とかも作ってるし余裕だぜ!!
「はっや!!」
友達が驚いている。いつも弁当を作っている朝は時間がない(最大まで寝ていたい)から1つ1つの作業がめっちゃ早くなっちゃったんだよな。
「よし終わり!じゃあこれ炒めちゃって」
「わ、わかった」
このまま続けていくとまあ何とか間に合いそうだな。よかったぁ。家庭科の授業でタイムアップとか一番面白くないからな。
____________________________
僕は料理エアプなので間違っているところも多々あると思いますが優しい目で見守ってください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます