第111話

「おい夜見!男3人でジャン負けワサビ大量の寿司食おうぜ!」


「いいけど...」


「よし行くぞ!じゃんけんポン!....ま、負けたぁ!!」


残念だったな。俺の人生経験上のデータで言い出しっぺが負けるってわかってるんだよ!


「そのマグロ貸せ。俺達でワサビのせるから」


「や、やめろぉ!!」


「敗北者に聞く耳なんてねえよ!バーカ!!」


じゃんけんに勝った俺と友達は言い出しっぺが持っていたマグロを奪い取りワサビをこれでもかと盛りつけた。


「ワサビちょっとでも残したら追加でもう一皿だからな!」


「おぉ神よ!私を救ってください!!」


「お前この前俺無宗教派だから神は信じないって言ってただろ!!」


敗北者は観念してワサビ大量のマグロを箸でつかみ1口で食べた。


「し、死ぬ!!まじで!水!水!!」


「ざまあみやがれ!」


「死ね!そのまま死ね!!」


マジで苦しそうじゃん!!まあ自分から言い出したことだし自業自得以外の何でもないから別に可哀そうとも思わないんだけどな。そういえば彩葉に怒られないだろうかと思い、俺は彩葉と楓の方をふと見てみると2人は必死に笑いをこらえていた。


「ほら水だぞ」


俺が水を差し出すと友達はそれを一気に飲み干す。


「し、死ぬかと思った....っていうかまだ舌痛ぇ!」


俺達が爆笑しているともう一人の友達がが俺に話しかけてきた。


「そういえば夜見!お前最後会長の代わりに前出てたよな!俺会長見たかったのに!!」


「きっも!って言うかあれはほんとに急に頼まれて疲れた...」


「あの、私は並んでいる場所の影響で一番近くにいたのですが夜見君の目の動きが文字を読むときの目の動きじゃなかったような気がして.....」


そっか、彩葉の苗字は綾崎であから始まるから一番前なのか。彩葉は真面目だしが前に出てる時も俺のことを見ながらしっかり話を聞いてたから気付いたのだろう。

まあこいつらには別にこれ言っても大丈夫か。聞かれて誰かが損する話じゃないし。


「あの時会長からメモもらってなくてそのまま俺が前で話し始めたらうるさくなるだろうなと思ったから会長からのメモを読んでる振りしたんだよね。そうしたら俺に文句を言うやつも間接的に会長に文句言ってることになるじゃん」


「お前、会長を盾にしたのかよ...!」


おい人聞きの悪いことを言うな!確かに会長の人気を利用させてもらったけど!


「会長に急に頼まれたんだぞ?アドリブで文章考えてんだから会長を利用したって少しぐらいいだろ!」


「アドリブで言ってたんっすか!?すごいっすね!!」


楓にそういわれる。そんなの別に普通じゃね?


「誰でもあれぐらいはアドリブで言えるだろ?」


「いや言えねえよ!?」


「やっぱり唯桜君は凄いです!」


「女子から嫌われすぎててお前が天才ってこと忘れてた....」


.......なんか俺の評価上がってね?



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