第100話
「ねえねえ皆、時の流れって経つの早いよね?」
生徒会室でそれぞれ体育祭に向けての作業をしていると山田先輩が俺達に話しかけてきた。まじで急にどうした!?
「いきなり変なこと言い出すわね」
高嶺先輩が俺達の気持ちを代弁してくれる。
「だってもうすぐ始まる11月末の体育祭が終わったらすぐテストでそれも終わったら冬休みだよ!テストも長期休みもこの前あったばっかりなのに!!」
「人間はいろんな物事について考えているとその考えている分時間を早く感じるらしいね。だから年を取ると1日が早く感じるらしいよ。僕は最近は生徒会に慣れてきて仕事にやりがいがなくなってきたから生徒会の時間は長く感じるな」
会長はどや顔をしながら俺達に向かってそういった。会長最初はミステリアスでオトナなイメージだったけどオセロのこととかあって最近は子供っぽく見えてきたな。今も言っていること子供っぽいし。
「じゃあ会長俺の分の仕事を手伝ってください。結構時間かかりそうなんですよ」
「断る」
そこは先輩の余裕っていうものを見せてくれよ!サボろうと思ったのに!!
「私...今日暇だから手伝えるよ.....」
「え!小幡先輩良いんですか!?ありがとうございます!!」
「困ったときは助け合い....!」
そう言うと小幡先輩は俺の仕事のプリントの一部を取ってやり始めてくれた。かっこよすぎだろ!俺が大学に行ってクズの振りする必要がなくなったらこんな先輩になろう。
「話が戻ってしまいますが山田先輩が言う通りもうテスト近いですね...今日から勉強時間増やさないと!」
「綾崎ちゃんは真面目だねー!私なんかいっつも一夜漬けだよ!」
おいおいこんな進学校に一夜漬けの猛者がいただなんて...尊敬ずるぜ!俺は前回は綾崎との勝負があったから特例としていっつもノー勉だぜ!!
「夜見君はバイトもやっているから休みとか取るのも大変なんじゃないか?」
「前回のテスト前は色々あって一時的に休みましたが今回はテスト前になっても休まないつもりです」
会長からの質問に答える。前回は綾崎にクズじゃないということをばらされかけたから本気出したけど今回はぼちぼちやっていこうと思ってる(一切やらない)。
「勉強時間を作るのも大変そうね。私も1年生の時は習い事をしていたからその気持ちはわかるわ」
高嶺先輩が俺に向かってそういう。ノー勉って言ったら綾崎以外から驚かれそうでめんどくさいしここは話を合わせておこう。そう思っていると俺よりも先に小幡先輩の口が開いた。
「夜見君は多分...家では一切勉強しないタイプだと思う....」
「え!?なんでわかったんですか!?」
怖い怖い!
「この前...英語の授業サボってたから......勉強熱心な人はサボらない........ほかにもいくつかそう思った理由があるけど....」
小幡先輩謎解き最強レベルに強そうだな...文化祭のクイズ大会に小幡先輩が出てなくて良かったぁ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます