第129話
あの後、雑誌が発売されてまたここら一体の雑誌が売り切れたこと以外は特別なことが起きたりすることもなく、時は進んでいった。この前のは綾崎が載っていたから売り切れるのもわかるけど今回は何でかわからないな。やっぱり紲星さんパワーだろうか?
「おい!野郎ども!!再来週はバレンタインだ!!いっぱいチョコを貰うぞ!!」
「おー!」
「今年こそチョコ0個を脱却するんだ!!」
俺は教室で小説を読んでいるとクラスメイトの元気な声が聞こえてきた。うるせぇなぁ。そう思っているといつもの友達が俺の方に寄って来た。
「おい夜見、お前も去年0個だろ?一緒にバレンタインチョコという名の宝取りに行こうじゃないか!!」
「俺の貰ったチョコの数を勝手に0個にすんな」
「は?お前みたいな同級生のほんのごく一部を除いた女子から嫌われてるやつがもらえるわけねえだろ!」
何だこいつ。失礼だな。まあ事実でしかないけど。っていうかお前は俺みたいなクズというデバフがないのに0個とか俺を煽れる立場じゃねえだろ。
「同級生からは貰ったことないけど何故か後輩とかからめっちゃ貰うんだよな」
そう、俺は中学の時、何故か毎年顔も名前もしらない初めましての後輩十数人からチョコ貰ってたんだよな。最初の方は毒でも入れられてるのかなって思って姉に何も言わずに渡して毒見させたけど体調を崩したようなことはなかったしなぜもらったのか今でも謎のことの1つだ。
「あー、お前顔だけはいいからそれで結構釣れるのか。性格は終わってるのに....情弱って可哀そうだな。お前ですらチョコ貰ってたのかよ。羨ましぃー!!」
「お前も馬鹿なこと言ってないでどうせ貰えないんだからあきらめろ」
こんなことを教室で大きな声で言ってるから貰えないんだろ。
「はぁ!?あと2週間もあるんだぜ!?まだまだこれからだろ!なんかむかつくから俺バレンタインまでにイケメン化大作戦付き合ってもらうからな!」
「え、やだ」
「今日放課後駅前行こうな!いっつもかっこいい系の服を着ている夜見に可愛い系の服を着させてやるぜ!!」
まじで嫌なんだが!?普段着てる服は本物の陽キャである零に選んでもらってるやつだから俺のセンスないこともバレそうだし。
「ちょうど新しい服欲しかったし俺も行っていいか?」
「もちろん!3人でモテるために服を選ぶぞー!!」
「おー!」
俺断ったはずなのになんか数に入れられてるんだけど!?これ、学校終わったら無理やりにでも連れて行かされるやつだ。つ、疲れそう.....。
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