第130話
「夜見!この服だったらモテそうか?」
放課後、俺は友達に無理やり連れて行かされて駅前にいた。試着室から出てきた友達が俺に尋ねる。
「うん、モテそうモテそう。そもそも会うのが学校なんだから制服だし服かっこよくしても無駄だろ」
「た、確かに....!!よし、じゃあ男の人専門の化粧品見に行こうぜ!」
そう言って友達は俺の手を引く。こいつらと遊ぶのは楽しいんだけど化粧品のところは....。
「ああいうところっていろんな香水の匂いとかしてあんまり得意じゃないんだよな。近くのベンチで待ってるから決まったら来てくれ」
「了解!結構時間かかると思うけど待ってて!!」
「戻ってくるときには見違えるぐらいのイケメンになっておくから!」
「2度と戻ってこなくてもいいからな」
そういって友達2人は店の中へと入っていった。俺がいなくてもマナーとかしっかりしてるかな?ちょっと不安を残しつつ、あいつらを信じてベンチまで移動した。あいつら相当気合入ってたから戻ってくるの遅そうだしクレープでも食べて待ってるか。そう思いクレープ屋さんへ向かおうとベンチから立った時に誰かから声を掛けられた。
「ねえねえ君、あそこのカフェで一緒にお茶でもしない?お姉さんが奢ってあげるよ」
「その制服って〇〇高校の制服だよね?頭良いんだ!すごいね!」
え、これ俺に対して言っているのか?俺は周りをきょろきょろと見渡すが近くに俺に話しかけたお姉さん2人と俺以外誰もいない。多分俺に言っているんだろうけど一応確認しておこう。
「それ俺に言ってます?」
「そうだよ!」
女性たちは俺の質問に肯定する。えぇ、こんなこと初めてすぎて驚いてるんだけど。なんていったらいいんだろうか?いやぁ、でも奢ってくれるって言ってたよな。ん?これ了承しても俺に損なくね!?友達を待つ暇な時間をつぶせる+甘いもの無料じゃん!俺天才!!
「まじでいいんですか!?」
「私達から誘ったんだし良いに決まってるじゃん!」
「じゃあ早速行こっか」
俺はお姉さんたちについていき、近くにあったカフェまで来た。ここの新作まだ飲んだことなかったから楽しみなんだよな。別に今はバイト代もお年玉というボーナスもあるからお金には困ってないけど無料、奢る当の言葉があったら釣られてしまうな。レジに並んで注文をし、窓際の席に座って頼んだものが届くまで色々話をしていた。
「お名前は夜見君っていうんだね」
「ここで出会ったのも何かの縁だし連絡先交換しない?」
連絡先か、まあ交換して損するものじゃないし、何より大学生と接点が持てるのが大きい気がする。
「全然いいですよ」
「え、ほんと!?」
「断られると思ってた!」」
そうして俺が連絡先を交換するためにスマホを取り出そうとすると窓の外から目線を感じた気がした。あいつらにバレたか!?もしバレたら面倒なことになる!そう思い俺は恐る恐る窓を見ると......
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます