第189話

「___ん?あれ!?ごごご、ごめんなさい!私、夜見君の肩に......夜見君も寝てるんですね」


綾崎は起きたと同時に動揺する。すると後ろの方から声がかけられた。


「綾崎さんおはよう。さっき寝ているときいい写真が撮れたよぉ」


「あとで送るから連絡先交換しようよ!」


そう言って後ろにいた女子が綾崎に肩を預けあって寝ている写真を見せる。


「え?あ、はい」


綾崎はまだ寝起きで頭が回っておらず、女子の言われるがまま連絡先を交換する。


「ありがとぉ!あの写真、送っといたから!」


「また話そうね!あ、あと夜見と末永くお幸せにね」


そう言うと女子はまた2人の会話に戻ってしまった。ちょっとずつ目が覚めて来た綾崎は現状を理解する。送られてきた写真が写っているスマホを見てさっきまで夜見とあんな風に寝てたということを知り、恥ずかしくなった。

_____________

「ん?あぁ、俺も寝てたみたいだわ。彩葉はもう起きたんだな....ってあれ?顔赤い

ぞ。大丈夫か?」


彩葉が寝たから話す相手いないなぁと思ってぼーっとしてたらいつの間にか俺も寝てしまっていたっぽい。あとなんか起きたら彩葉の顔が赤かった。熱でもあるのかな?


「わ、私は大丈夫です!そ、それよりももうすぐ新大阪に着くらしいですよ!!」


ちょっと挙動が不審な気がするが本人が大丈夫って言ってるし多分大丈夫だろう。合宿の時みたいに無理したりしてないか心配だけど。


「寝たら一瞬だったな。そういえば寝てるとき少し彩葉の話し声が聞こえてきたような気がした気がするんだけどもしかして誰かと話してた?」


寝てるときの記憶はないがなんか聞こえたような気がしなくもなくもなくもないんだよな。連絡先がどうのこうのとか.....まあ俺の夢の可能性もあるが。


「え!?あ、いや、そんなことないですよ!」


「.....あやしい」


「もういいじゃないですか!ほら、もう着きますよ!荷物まとめてください!!」


「はいはい」


この反応的に本当に誰かと話していたっぽいがこれ以上聞くとウザがられると思うしやめておこう。流石は(自称)自重できる漢夜見唯桜!!かっこいい!!俺らは荷物をまとめ、新幹線から降りる。その時に彩葉に手を振っているクラスメイトの女子の姿が見えた。あれ?彩葉ってあの人たちと仲良かったっけ?あー、確かあの人たち俺達の後ろの席だったしその時に会話したのか。でもどんな会話をしたんだろう。気になる.....

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