第47話
「あー、誰かいい案ある人いるか?」
学級委員であるクラスメイトと綾崎が前に出て何の出店をやるかを決める会議を進行をしていた。別に俺はなんでもいいし寝ておくか。
「カフェ開こうぜ!カフェ!!」
あるクラスメイトが声を上げた。うるせえなぁ。その声せいで俺は眠りから覚める。お化け屋敷や謎解きなどいろいろな意見が出ていてまだ何をするのか決定していないようだ。カフェか、いつも行く側だったから開くのは新鮮で楽しいかもな。
「いいね!カフェ!!」
「確かにカフェやってみたいかも...」
クラスの皆もカフェがいいと思ったようだ。まあありきたりではあるけどそれでも楽しいだろうな。
「これだけ賛同の人がいるんだから俺たちの文化祭の出店はカフェで良いか?」
「はーい!」
クラス委員が全員に確認をとる。誰一人として反対する人はいなかったようだ。こんなことあまりないから珍しいな。これでもう決定かとみんなが思ったときに一人の女子が手を挙げた。そのままその女子は話し始める。
「でも普通のカフェだったらちょっとありきたり過ぎない?」
「他のクラスがやっててもおかしくないな」
それは俺も思ってた。他のクラスと被ると確実に利益が減る。確か俺のうろ覚えの記憶によると文化祭ではクラスで出た利益を他のクラスと競うイベントがあった気がする。もし被ってしまったら勝つことは絶望的だろう。別に勝敗とかどうでもいいけど。
「だからね、被らないように男子は女装、女子は男装するのはどうかな?これなら絶対に被らないでしょ?」
話が変わった。勝ちたくないから女装だけはやめてくれ。こんな意見皆反対するに決まってるだろ!賛成の人は多くないだろうな。俺がそう思っていると皆が近くの人と話し始めた。
「男装かぁ。意外とやってみたいかも!」
「こんなことできる機会中々ないからね!」
女子からは案外好評だ。女子が男装することと男子が女装することのハードルは全然違うんだって!女子はオッケーでも男子はオッケーしないに決まってる。
「いいんじゃねえの?女装。俺は面白そうだと思うぜ」
あれ?話が違うぞ?
「ちょっと恥ずかしいかもしれないけど楽しそうだな!」
あれれ?あれれれれれ?このままだと反対する人がいたとしても多数決でこの意見が通ってしまいそうだ。
「いや、普通に無理なんだけど」
良し!仲間いた!俺含む反対派の勇士達は何か特別なことでもない限り絶対に屈しないぞ!!
「私は皆で女装や男装するの楽しいと思いますけどね」
前で黒板に書いていた綾崎は俺たち女装反対組を代表して発言した勇士に向かってそういった。
「あー、やっぱ女装したくなってきたなぁ」
おい勇士、お前もう船降りろ。
「では多数決をとるぞ」
このタイミングで!?やばいってこれ絶対に......
「多数決の結果、女装男装カフェに決定しましたー!」
くそがあぁぁあ!
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