近衛竜騎士(魔術師)の感想
新設され近衛竜騎士団に何とか入団出来た。
王立軍からの編入組で試験ではまさかのドラクロア副団長と対峙で逃げ回っていたら合格と言われた。しかも魔術師なのにドラクロア副団長相手に10分以上逃げおおせたとしてサブーリン団長に褒められて直属の魔術師として勤務する事になった。
その後、一年掛けて団は成立し、成立した後直ぐに大変な事になった。
各中隊長クラスを集めた指揮官会議。団長はいつも通り椅子の足を2本使ってバランスを取りながら喋り出す。
この人のバランス感覚とそれを操作する体の使い方は本当に見事だ。
「まー知ってる人もいるかもですけどー
えーなんかー地方の貴族が他国に侵攻されそうとかでー救援に向かいまーす。
周辺貴族併せて2万、王立軍も2万出ますがー我々も出まーす。理由は簡単でーす。貴方達に勲功を与えるためでーす。
死ぬ気で頑張って下さーい。じゃあ準備宜しくー」
団長は常に怠そうにお喋りになる。近衛騎士団長はくせ者が多い高くがその中でも最も癖が強いのがウチの団長かもしれない。
「サーシャ!戦争に行くのか!?」
そしてサブーリン団長が弟子として極たまに放り投げている蛮族の少年が目を輝かせて団長を見た。
「行くよー
主力は王立軍だから我々は後詰め的なポジョンになりそうだけどーそーなると誰も武勲立てられないので最前線に張り付きましょー」
とんでも無いことを言い出した。
何考えてんだこの人?たった一個大隊の銃兵と一個大隊の砲兵、一個中隊の魔術師で前線に立つ気か?死ぬぞ!?
「て、敵の数は!」
「えー?
確かー五万……いや、六万?まぁ、そんな感じでーす。籠城してる敵に寡兵で挑むとか馬鹿ですねーまぁ、エウリュアーレ殿下が陣頭指揮取るらしいのでー
戦争自体は勝てるでしょーねー」
頑張って生き残りましょーと団長が告げたところでズテーンと後ろに倒れる。倒れる直前に普通に受け身取って立ち上がっちゃうあたり本当に凄い。
「新記録ならず」
団長は残念そうに告げて解散と会議室を出て行く。その場には全員が残り顔を突き合わせての会議だ。
「どうする!?」
「サブーリン団長は本気だぞ!」
「あの人はイカれてるんだ!
伊達に山羊の悪魔を殺してないんだ!今直ぐ止めるぞ!」
「我々が死ぬぞ!」
「で、殿下に止めて貰おう!」
「何だよお前ら戦いで死ねるんだぞ?
名誉だろ!」
弟子くん、ユーリ君が非常に馬鹿にした様に告げた。
「無駄死に名誉もクソもあるか!」
「はぁ?
サーシャ言ってたぞ。銃はともかく砲が大量にあるから撃ちまくってカツラ?を開けば一番槍で皆武勲貰えるよーって」
戦場の一番槍は確かに褒章が貰える。貰えるが、一番最初に死ぬから褒美が貰えると言うことを知らないのか!
「おい、ローデリア」
そして、銃士隊の中隊長の1人が私を見た。
すると全員の視線が私に集まる。
「そうだローデリア!」
「説得してこいローデリア!」
「お前もわかるだろ!たった600の銃兵で一番槍なんぞ自殺も良いところだ!」
「我々砲兵隊が門に穴は開けてやる!
だが600の銃兵で突撃は自殺だ!」
普段仲の悪い砲兵と歩兵も流石の言葉に為に入っていた。私だってそうおもうよ!
「わ、私も無謀だと思いますし、無茶だと思いますよ!
せ、説得してみますが、みなさん期待しない様に……」
ユーリ君を連れて団長の部屋に向かう。
「サブーリン団長!
失礼致します!」
扉をノックして開けると、団長はパンツ一丁で何やら銃を片手に立っていた。何してんだこの人?
「おー?
どったの?」
「いえ、先程の話ですが」
「あー皆止めてくれって?」
知ってたのかこの人!?
「普通に無理だよねー
新しい武器貰ったけどさーライフル?とか言うこの銃で勝てるって殿下は嘯いてたんだよねー
今配ってるけどさー600メートル先も余裕で当たるらしーよー」
今までの銃と違って細やかな細工とかはある。
「取り敢えず、この銃見せてさー
600メートル先から撃ってみようじゃないか」
ねぇ?と団長はいつも通り怠そうに笑っていた。どーすんのよ……
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