第40話 近衛騎士団長、嫁さんをゲットする。
さてはて、約束の決闘裁判とやらに向かったら開始時間より前に始まっててあの美人さんが危うく殺される所だった。
と、言うか開始時間に合うように行ったらダメじゃね?と付いてから気が付いた。普通に浮かれてた。
相手は死ぬほど雑魚だったのと皇帝からも殺っちゃえよ!そんな偽物!!と応援されたのと本人と周りの承諾もあった為に首を刎ねてやった。
活躍の場が一切無いままに試合が終わってしまったのだが、しょうがない。帰ったらドラクロア副団長相手に使ってみたいと思う。
もっとも、重要な部分はそこではなくこの裁判での勝者ことクリスティーナ・ピエトロ・ベレッタだ。
帝国でも政界を三分する派閥の一つで財務大臣の娘であるクリスティーナ嬢。
「私を貴女の妾でも、何なら奉公人でも良いので貰ってはくれませんか?」
これなのだ。
「いらないでーす。
貴女は帝国の財務大臣の娘なのでさっさとお父さんの所に帰った方が良いと思いまーす」
「そんなことを言わずに!」
コロシアムからずっとこの調子で後をついてくるのだ。何なら普通に城の前まで来てしまった。
私の登場に衛兵は最敬礼で道を開けてくれる。
「どこまで着いてくるのでぇ?」
普通に大臣の娘だから何事もなく通されている。やばないか?
そして、終わったら報告に来いと言われていたので陛下と皇帝がいるらしい中庭に案内されつつ向かう。
「只今戻りました」
「早かったな」
「まぁ、殺して良いと言われ、相手の了承と彼女の了承もあったのでー」
隣で傅いているクリスティーナを見ると何を勘違いしたのか挨拶から始まり私の戦いの一部始終を普通に吟遊詩人顔負けに朗々と語り出す。
色々と脚色されてやしませんかねぇ?
「ほう、一撃で首を刎ねたと言うだけの報告をそうも聞いている者をワクワクさせる程に唄い上げるか」
「素晴らしい才能の持ち主ね」
そして何故か2人の王に大絶賛。
「我が国では同性愛と言うものは然程流行っては居ないが禁止もしていない。
サブーリンの報告は聞いていてつまらんからお前が戦場に同行してその活躍を毎度歌い上げると言うのであれば私はお前をサブーリンと共にあることを許す」
陛下はそんなことを言い出した。奥の方で笑っているペンドラゴン団長を見ると自分も依存はありませんと告げる。
最後の望みはロリ皇帝だ。
「財務大臣の跡取りたる長男はおるし、彼奴は私腹を肥やしているが帝国の財政も伸びておる。長男も非常に優秀で父親とは真逆に潔癖なまでの管理よ。
国防大臣の所はまぁ、長男は凡人のバカ息子故に政略結婚以外での使い用が無かったから今回の件で国防大臣も愛想を尽かしておるはずじゃ。
現にこの裁判の結果が出る前にもし息子が死んだら次は弟に家督を継がせると言う許可状を出してきよった」
ロリ皇帝はホレと一枚の紙を見せてくる。
「弟の方が優秀だった故に国防大臣も願ったり叶ったりじゃろう。
ワシも許可する。ベレッタの娘を嫁に娶ると良い」
はい、詰んだー私の外堀完全に埋められたー!
隣を見るとありがとうございますと感涙に咽びく美人さん。ヤダモー
「明日出発するがお前はどうする?」
「是非とも御同行させて頂きます。
荷物等は後々送れば良いので」
「うむ。
では、サブーリンも確りと新しい妻を世話するように。
皇帝も今後とも我々と仲良くして行きましょう」
陛下はそうロリに告げ、ロリもよろしく頼むと笑っていた。
これ、普通に私を出汁に最初から最後まで帝国との蜜月関係スタートさせただけやんな。
畜生。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます