オンオフ

化粧をすべて落としたあとの、清々しさがすごくすき。心地いい。


ずっと素顔のそのままでいたいかと言えば、それはイエス。でもやはり年齢を重ねた今、人前に出ることを思うと、化粧をしないままでは心許ない。化粧をすることがマナーのような雰囲気さえあるのだから、やっぱりしない、ということは今のわたしにはできない。



でもなによりも、化粧をする最大の理由がある。それはとても大事なこと。


化粧をするだけで心がしゃんとするということ。


スイッチが入るような。

切り替えが起きるような。


化粧を施す。

この工程があるから、わたしは今日も頑張ろうと思える。


そしてなにより武装したわたしは、わずかではあるけれど、強く居られるようになる。心なのか体裁なのかわからないけど。


そしてこのスイッチを切るのには、やはり化粧を落とすこと。クレンジングだ。この時間はとても至福で気持ちがいい。


どろどろになりつつも肌に膜を貼るその化粧は、どうにも入浴の時間が近づくにつれ「落としたい」衝動に駆られる。


そうでなくても、施したそれらを落とすとやはり気持ちのスイッチもオフになるからか、肩の力がすっと抜ける。無駄に凝り固まった体の筋肉がほぐれていく感じ。


気持ちの切り替えが下手くそな私にとっては大切なこと。そして好きになったことだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る