好きな人に彼女にしてもらえない
この文章、すごく好き。
好きな人に対していじける可愛らしさとか、もどかしさ。なんだか瑞々しい恋の雰囲気が感じられて、リアルな表現だなあ。
好きな人に彼女にしてもらえないわたしの経験は、小学生のとき。
同じ吹奏楽部の2つ上の先輩で、すごく優しくて面白い先輩だった。みんなのムードメーカー的な存在で、いつもいつも、誰かの太陽みたいに輝いてるひと。
そのひとがかけもちしていたボランティア部と言う部活に入ったのは、完全に下心。
とにかく一緒にいる時間が欲しかった。先輩の視界の中にはわたしがいつもいたかった。
そんなとき、修学旅行?個人的な旅行?か何かで、先輩はわたしに天然石のお守りをお土産にくれた。
その石は、恋愛成就のローズクォーツ。
当時、あんまりにも嬉しくって、それはもう肌身離さず持って歩いていたっけ。
思い返せば、あの石になんらかの意味はあったのかなって、ちょっと思い返してみたりする。あのとき、勇気を持ってみても良かったのかな?と思ったりもする。そして、どうしてそのことを、当時も思っていながら何も行動に移さなかったんだろうと、わたしはわたしに悩ましく思う。
でも、どれも今さらだ。
わたしは結局、最後まで勇気が持てなくて。一緒にいる時間を限りなく先輩と2人過ごして、先輩は卒業していった。
「中学で待ってる」
そう言って、真新しい学ランに身を包み一足早く大人になっていった先輩の背中を見送りながら、わたしはじっと、ランドセルの肩紐を強く握った。
そんな先輩との続きの話は、あまりにも悲しく虚しい、空虚な別れ方をしたから。
先輩との思い出は、ここまででいい。
思い出は、綺麗なままがいい。
続きは、物語の中でいつか昇華させたい。そして、誰かの血肉となってほしい。あわよくば。
今すごく、恋愛小説を書きたい気分。
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