悩み

近頃、小学生になった息子のお友だちとの遊び方だとか、学校の登下校に関する悩みが多い。


それは息子に、というよりかは、うちのすぐ近所に住む息子と同い年の女の子にだ。


少し男勝りで活発な女の子は、不思議と女子のまとまりにはおらずいつもひとりでいるか、うちの息子といるところをよく見かける。学校でのことは分からないけれど、面談で先生の話を聞く限りはだいたいそうらしい。


同じ幼稚園から進学した子がいないから、ご近所だし仲いいのかな、と、そのくらいに思っていたが、どうもこの数か月の下校時の息子たちの様子を見ていると、息子がその女の子に泣かされて帰ってくることが多く……。


一緒にいた息子と幼稚園からの付き合いのお友だちに理由を聞けば、その女の子がランドセルを引っ張ってぶんぶん揺さぶったからだとか、いきなり息子の耳元で大きな声を出したからだとか、そういうこと。


小心者かつ臆病な息子には多大な刺激だっただろうと思ったが、「やめて」と言わない息子に非はあると思いその場は見送った。


見送ったが。


やはりそれが一度や二度ではないと、親としては心配になってくる。さすがの息子も、小さな声ながら「やめて!」と反論しているそうだ(幼稚園からのお友だち談)。


相手に強く言うことで悲しい思いをして欲しくない。

それが息子の常々の言い分だ。


だからこそ、息を吸うように息子はすぐ嫌なことがあっても我慢してしまう。自分が我慢をすればすべておさまるのだと、幼いながらに分かってしまっているのだ。


それがずっと気がかりだったわたしは、その女の子に言った。


「自分が良くても、相手は嫌だって思うこともあるよ。ごめんなさいして、仲直りしようよ」


すると女の子。


「すいませ~ん」


そのすいませんは、ふざけた感じの、心ない言葉。ひどいときはわたしの言葉を無視してそのまま家の中へ入っていく。


ぷちん。


小さい頃から絶対子どもなんて産まない!親にもならない!わたしは子どもが嫌いだから!!


そんなことを言い続けていたわたし。

それでも夫と結婚し息子を産んで。息子と仲良くしてくれるお友だちに出会って、子どもが好きだと思えるようになった。だから今、幼稚園の子ども達相手に先生なんかしたりして楽しく過ごしているというのに。


本当に久しぶりに、子どもむかつく!!!!!!……と、思ってしまった。正確に言えば、その女の子になんだけれどね……。



息子と遊びたいとか、うちで遊びたいとか言っても絶対入れないし、なんならもう面倒くさいからまともに相手したくないとすら思ってしまった。


子どものすることだから仕方ない。

そうやって温厚にいきたい。けれどそんな寛容になれない。


親は一体なにを見ているのだろう。

いけないことをいけないと、いけないことをしたら謝ることを教えなくて何が親なのか、と……思ってしまう。


大家族だから、なんて括りで表現したら、そうではない大家族の方に申し訳ないのだけど。子どもの人数が多いからこそ、やはり親の目が行き届いていないのではないかと思う。


わたしは器用じゃないし、なにせ子ども嫌いを豪語していたから、子を為すなら絶対ひとりと決めていた。

だって、絶対わたしはひとりひとり均等にまんべんなく見切れない。愛情も注げない。


わたし自身が両親のもとに生まれて、娘ではなく妹の親のように使われて育てられたから余計にそう感じてしまうのだ。

だから、そんな両親と妹が今でも家族とだからといって特別大事に愛おしくなんて全然思えない。なんなら、わたしと息子を大事に想ってくれる夫や、ご近所のひと、ママ友の方が何倍も大切だ。産んでもらった感謝はあれど、それ以上も以下もない。


その幼い頃の記憶もあって今のわたしがあるので、ついその女の子の両親にまで批判的に見てしまう。


教えているのかもしれない。女の子は、家の中ではちゃんと出来るけど、外ではできないだけなのかもしれない。

だとしたら、それをきっと親御さんは知らないのだろう。だとしたら、逆にこちらからそう言うことがあったと知らせるのがいいのかもしれない。そこでどんな反応をされるかは、もう向こうしだいだ。


あちらにはあちらの都合があって、価値観があって、うちとは違う家庭なのだと言うことももちろん重々承知。



ひとまず、登下校に関しては学校へ連絡し指導してもらうとして、悪いことをしたら謝るという大事なことは、機会をみてちゃんとお伝えしようと思います。

教育者でもないのにえらそうだな、わたし……。そう思ってしまうのはやはりわたしが小心者だからです……。


でも、とあるひとと約束したのよ。

この時代を生きる子供たちの未来を育てるのは、大人であるわたしたちの役目だよねって。駄目なことはたとえ人の子でも、きちんと伝えていこうねって。


本当、わたしは周りの人に恵まれているな……。



自己肯定感の低い親というのは、なかなかに世を生き抜くのも親をやるのも難儀です。


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