忘れた頃に届く怪盗ルパンからの予告状

身に覚えのないカードの支払い請求のメールが来て、はて?なんだろう。そう思い身辺確認するも思い当たらない。


ではと夫に聞いてみたら、まあなんと忘れていた出来事を夫はさらりと言ってのけた。



「ほら、あれ。新規カード契約すると金券がもらえるってやつあったじゃん。あの時のカードだよ。まだ解約してなかったの?」



まだって。むしろあなたは解約したんですかとっくに!?!?


わたしは思わず白目を剥いた。いや、これが剥かずにいられるか。

それを聞いたわたし、生理前なのでカリカリしているのもあって夫に声を荒げる。



「解約するタイミングでわたしにも声かけてよ!」「っていうか、むしろわたしの分も解約しといてよ!」



夫はしどろもどろしつつも、わたしにちゃんと声はかけたということとカードの解約は本人でないとできないと語った。


わたしは落胆する。ああ、金券に惹かれた夫に合わせて、わたしまでカード作るんじゃなかった……。


誤解のないように言わせてもらうが、わたしはこのとききちんと夫に伝えたのだ。解約手続きとかそういう事務手続きが苦手だから、わたしは作らない、と。でもそしたら夫が、ちゃんと俺もその辺出来ることはフォローするからって言ったのだ。要はわたし、そのフォローに期待しすぎたのだ……。契約はともかく、あとは全部夫がなんとかしてくれるだろうと鷹を括っていたのだった。



は〜…。盛大にため息が出る。



知らぬ間にカードの更新期間に入り、年間費もろとも込みで3000円の出費である。これはもちろん、わたしのミスなのでわたしの給料から支払うしかない……。


でもなんか、納得がいかない……わたし、ちゃんとこういうのはできないって言ったのに。


わたしだったら、金券を貰ってまでカードを作るなんてことはしない。……そりゃあ、必要に迫られていたり、本当に欲しいと思えるカードならまた別だけれど。



は〜…(2回目のため息)。



これでは結局、カードの新規契約でもらって使った金券の金額を思ったらお得なんだか損なんだかわからない。まったく嫌になってしまう。




わたしはもう認めている。自分の欠点を。


こう言ったマメな管理(時期が来たら解約するなど)が意外と苦手で、言ってしまえば大嫌いなのだ……。結局解約するなら作らなくて良くない!?となってしまう……。



カード、その契約書類、そして届いた支払いのメッセージ。全てをテーブルに並べて対峙するわたしの顔は、ひどく死んでいる。特に目。もうどこを見ているのかわからないくらいだ。


虚ろ、そう虚ろだ。まさにそれだ。


しかもこのカード、引き落とし口座すら未設定のままである(これで如何にわたしがこう言ったことがからっきしだめかわかってもらえると思う)。


まずは支払い口座設定。その後にようやく支払い、そして解約となるのか……オペレーターの方に確認を取れていないからわからないが、最悪そんな感じだろう……。あーいやだ。泣きたい。

もう半べそどころではない。



とりあえず現時点でわたしは胸に強く誓った。



夫がなんと言おうと、家族のためになるのだとしても。金券目的のためにカードの新規契約は絶対しない。



できないことはしないに限る。これがいちばんだ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る