晴れないときもある

どうしても気持ちが晴れない。


なんというか、こう、鬱々として、クサクサとして、沈み込んでどこまでも落ちていくような、泥沼に落ちた石みたいな……。


前はもうこうなると、人に会うのすら苦痛で仕方なくて、完全に篭っていた。けど、今は違う。必要最低限なら大丈夫、と言う具合にはなった。


これだけ聞くと、以前は本当にひどかったのね、社交性がないのね……などなど、ボロクソ言われてしまいそうだけれど。


恥を忍んでいえば、そうとも言える……。

でも自信を持って言えるのは、そのひどい状態のときからするとだいぶ自分を理解して認められるようになったということ。


こうでなきゃいけない。

こうあるべきだ。


そんなしがらみに囚われていた日々から脱し、今ではありのままの自分を見つめられるようになったと思う。


だから、この程度で済んでいるのだと、わたしは思っている。


ゆるす。みとめる。うけいれる。


自分を知ってあげるということ。

若いときには気がつかなかったことに、ようやく気がつき始めています。少しずつ。でも、確実に。


だから今、すごく生きやすくなった、かな。


若いだけのわたし。

何も持ってない、何者でもないわたし。……うーん、でもこれは今も変わらないかな、そんなに。


でも確かなのは。

その、何も持ってない、何者でもないわたしのことを今、日々を重ねたわたしが包み込んでいる感じ。見守っているような、そんな安心感が日々少しずつ、確かに積もっているような気がします。



だから、いいんだよねえ。

こんなときがあっても。



そんなことを思いながら、わたしはお風呂で小さく息をした。

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