可哀想なひと
そう思われていて、陰でこそこそ言われていることを知ってなんとも嫌な気持ちになった。
……と、書きたいところなのですが、思わずこれには笑ってしまう。わたしって、可哀想なひとに見えるんだなあ(笑)
家に引きこもっているんだって。
病気らしいよ。
そんなんじゃこれからやってけないよね。
もしかして、グレーなんじゃない?
わたしに話して聞かせるひとも、何を思って伝えてくれるのかわからないのだけれど。耳に入ってしまったものはもう仕方がない。
でも、なんだか後半なんて単なる憶測の悪口でとてもじゃないけどムッとしてしまう。
わたしはただひとり行動が好きで、室内でできる娯楽が好きだから外に出る機会はまあ少ないという話は外に出たとき世間話の延長でしたことがある。
でも、ちゃんと外には出ているのだ。
買い物だって行く。犬の散歩やウォーキングも行く。図書館や書店も行くし、ショッピングモールだって行かないわけじゃない。
大勢多勢で遊ぶのは苦手だけど息子が幼稚園の頃から仲のいいママ友と秋集めしたり工作したりジョギングやウォーキングしたりランチしたり。わたしとしてはむしろ充分なくらい充実していると言える。
息子のことだって、わたしなりの考えと夫婦での話し合いの末のひとりっ子だ。正直いうと、そこまで口を出されたくはない。
見るひとによってはそう見えるのだなあとまたひとの感覚の違いに思わず面白いなあとしみじみ思った。これは小説を書く上で書きたいテーマのひとつだ。
学生時代から3人以上のグループに所属して過ごすことが息苦しかったわたしは、大人になってもひとと付き合うことは息苦しいものなんだろうなと思っていただけに、大人になった今としてはすごく自由で気楽で、本当に極論だけれど生きるのを辞めなくて良かったとさえ思う。
いや本当に……今思えばわたしの周りにいた女子が単に群れていたいタイプだったってだけなんだけど。群れることができないわたしが可笑しいんだって、思い詰めていたことにも気づかず、わたしがひととして変なのだとずっと思ってたから。
父はともかく、母や妹にそのことを相談しても可笑しいと言われたことも原因の一つ。そりゃそうだ。彼女たちも群れていることが普通とするタイプだったのだもの。……母も妹も、当時言わなかっただけでわたしを可哀想に思っていたのかもしれないと思うと、あの哀れみの目を思い出すと納得できる。
でも、今現時点のわたしからしてみれば可哀想なのは群れていないといられない性分のひとたちだ。
学生の頃ならまだしも、大人の仲間入りをし社会人になって、家庭を持ってと、それぞれに置かれている条件が変わってくる。
そうすると優先するのはもちろん自分の背負うもの、やりたいこと、好きなこと……そうやって変わってくると思うのだ。
仕事に子育てに家事に、と時間を使う分、自由に使える時間は限られてくる中、いつまでも学生みたいなグループ付き合いができるのかと思うとわたしはできないと答えてしまう。…まあ、自分がしたくないというのが一番の理由なのだけども。
いや、別にそうすることが好きな人だっていると思うから、そういうひと同士でつるむのはいいと思う。お互い求めているものが同じだからね。それこそ、大人になってからは難しくなってくる、真の友達が作れたりというのもあるのかもしれない。それはもちろん否定はしない。
けど、その価値観が誰しも皆共通するとは思わないでほしい。なんなら、思ってもいいから自分の中にだけ留めておいてほしいと思う。
おかげさまで、わたしは挨拶程度の顔見知りさんにさえ可哀想なひとと思われてしまうではないか。
いや、いいんだけどね……大勢のひとたちによく思われたいと思ってないから別に。
ただ、わたしの知らないところで、わたしの第一印象がそこから始まってしまうのはなんとも悲しいなというか。息子がまたそういう『可哀想な人の子ども』と思われるのもなんかなーと思ってしまう。
本当に、いろんな人がいるもんだ。
自分と違うだけで、発達障害扱いするのもどうかと思う。本当にその障害で苦しんでるひとに、その家族にも失礼だ。なんならわたしにも失礼です。
でも、自分を庇護するつもりで言うわけではないのだけれど、今わたしはこの生活に身を置いていて思うのは、つるんでいないと不安になってしまうひとたちは大変だろうなあと思う。
だから、そういう意味では本当に可哀想だ。この先大変だろうな、と思う。
でも、わたしも人間できていないので思うのです。
わたしが一緒になってつるんでくれないからって、陰口を叩いて言いまわるのはいかがなものかとは、思います。わたしは、さなにもそのひとのために生きてるのではないので。
わたしはそうすることが心地よいと思える性分ではないのです。できることなら、放っておいてください。わりとその方が、可哀想なひとに見えなかったりしますよ。
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