事件はいつも突然起こる
“ 今日ね、すごい面白いことがあったの。でも140字に収める自信がないからエッセイに書くね。”
Twitterにて、こう宣言しました!絶対書きたくて。笑
エッセイというよりはほぼ日記ですけど( ͡° ͜ʖ ͡°)
息子が学校帰りに落とし物を拾って持って帰ってきた、というお話です。よければ続きをどうぞ!笑
鳴り響くインターホン。
まあ犯人は息子なんですが、なぜいつもみたいに家の中に入ってこないのか不思議に思い、外に出てみる。
するとまあ!かわいい同クラスの女子に囲まれた我が息子。ハーレムじゃん!もしかしてこれ、「息子さんをわたしにください!」と言われるのかな??なんて(ふざけて)いたら……。
「おかあさん!帰ってくる途中、かぎ、ひろったの!」
通学路に落ちていたらしい鍵を渡されて、事態を理解した。なるほど、それでみんなで賑わっているのね、と。
前にも通学路に落ちてたというハンカチなどを拾って帰ってきていた息子。律儀だなあ…と思いながら、どうしていいかわからず、とりあえず学校に連絡してみて届けてほしいと言われれば学校に。交番にお願いしますと言われれば交番に届けていた。ハンカチは学校だったけど……鍵はたぶん、交番だろうか。
かわいい女子たちと別れを告げ、とりあえずわたしは息子から預かった鍵をジップロックに入れて(なんかの事件現場の証拠品みたいだね!笑)、学校に連絡を入れてみた。
そしたら予想的中。
拾った場所もあり、交番にとのこと。よしじゃあ、行こうか。息子を連れて、わたしは家を出た。
……ところまではいい。事件は現場(交番)で起きた。
家から1番近い交番に息子と行くも、中を覗き込んだらお巡りさんいない。バイクはあるから誰かしらいるよね??……と、とりあえず周辺を見回したけれど誰もおらず……。
「おまわりさん、いないの?」
「うーん……あ、インターホンある」
そこでわたし、インターホン発見。
押せるものは押しておこう。謎のポジティブ思考でインターホンを押した。押したら。
「やあやあやあ!いらっしゃーい!」
歓迎された。ニコニコ笑顔のお巡りさんに。
(´⊙⊙`)!?
正直、お巡りさんって交通ルール取り締まり(要は一時停止とか追い越しとかスピードとか)してるイメージが本当に強くて。まあお巡りさんにお世話になるとしたらそのあたりが現実的だからね……。
そんな訳で、別に悪いことしてないけどビクビクしてたわたし。息子も、なんだかんだではじめての交番。わたしと違う意味でどきどきしていた模様。
固まってるわたしたち親子に、
「どうしたのー?」
にこやかなお巡りさん。
息子、おずおずと鍵の入った袋を渡したので、「息子が学校帰りに見つけて、拾ってきたんです」と補足する。するとお巡りさん、
「わー!届けてくれたんだね!えらいなあ!」
お巡りさん、拍手。あれだ、スタンディングオベーション。息子、訳がわからず困っていた(でもたぶん、少し照れていた)。
ここまでのやりとりでだいぶわたしは、ここは交番だよね?警察だよね?と何度も思案する。戸惑う親子を置いてけぼりにするかのように、お巡りさんは書類を持って、わたし(保護者)に記入項目を指差しお願いされた。
そこからだ。
「じゃ、まずこの鍵だね」
「?…はい、そうです」
「今時ね、鍵にキーホルダーつける若い子っていないんだよ。それにみて、このキーホルダー。ヤカンだよ?ヤカン。恐らく大人。絶対大人。たぶん、けっこう年上。僕世代」
「そうなんですか?ごめんなさい、わたしもカギにキーホルダーついてます……」
「おっと!?あなたはすごく大人びているんだね。胸を張っていいよ。そんな若いのに中身がしっかりしてるってことだからね。でもヤカンはまだ早いよ」
「(そんなに若くないけどな。でも確かにヤカンは選ばないな…)ありがとうございます、わかりました!」
「それでだ、ぼく?この鍵の周りには何があった?」
「えっと、くさがはえてました」
「間違いないよ。犬の散歩中だね。きっと犬の散歩してた大人のひとが落っことしちゃったんだね」
「え!でもぼく、ぜったい子どもがいる人だとおもう」
「なんでかな?」
「シールが、貼ってあるから……」
「ああ、そういえば落ちてたところの近く、保育園あるもんね」
「おお!たしかに!ボクは賢いね!刑事さんになれるよ!」
会話文で済ませてしまい読みづらいと思うが許してほしい。でも、なんとかこの会話をする我々3人を想像してみてほしい。
平凡などこにでもいる親子が、拾った鍵から事件(鍵の持ち主)をお巡りさんと推理し始めるところを……!!
壁には『指名手配』『行方不明』『捜索中』。そんな物騒な言葉が並んでいるのに、我々はなんと和やかに穏やかに鍵の持ち主を思い浮かべて推理なんてしていたのだろう……。
そう冷静になって思い返したのは、交番を出て帰路に立ったときだった。
「ばいばーい!気をつけてねー!またねー!」
そんな別れ際の挨拶を聞いたときは、まだそんなに冷静じゃなかったんだと思う。
「お巡りさんまたねー!」
「さよならー!今後ともどうぞよろしくお願いしまーす!」
なんて返してたくらいだからね。
ちなみに、鍵の持ち主が現れたとしても連絡は来ない手筈にしたので、この鍵の結末はわからないですが。
少なくとも、わたしと息子にお巡りさんに対しての印象を(いい意味で)がらりと変えるすてきな人だったということ。
そして今はその人がわたしたちの地域の担当だということが知れたことは、すごく大きなできごとでした。
「ちっ。まーたこんなところに隠れて一時停止してるか見てるよ……やだなあもう。絶対捕まってあげないからね!」
車で走行中、お巡りさん見かけるたびにそうぼやいてることを反省しないとな……。
そう思い直す今日でした。笑
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます