ナズナという雑草の未来

息子がフィールドワークから持ち帰ったペンペン草もとい、ナズナ。

生けていた花の寿命が訪れさよならをして、花瓶が空いていたので生けてみた。


まあ元気よく咲いていること。


小さな白い蕾?がつきだして、少しずつ、でも確かにすくすくと育っている。


こうしてみると、本当にれっきとした植物みたい。うーん、この表現には少々語弊があるな。雑草という植物はないというけれど、まさにナズナはそんな感じ。


植物という名のブランドを背負うものたちと雑草と呼ばれるものたちの違いを考えていて、どことなくその線引きを思って切なくなった。そんな線引きを当然のようにしている自分にも。


なんというか、同じ植物で、同じように生きているのに……。


チューリップの一輪挿しは素敵だなって思うのに、ナズナの一輪挿しに素敵だと思うひとはごく少数だろう。


ナズナが、この垣根を越えられる日は来るのだろうか。来たらいいのにな。


でもきっとわたしは、その垣根を越える第一歩を踏み出した1人なのだと思うとなんだかちょっと、嬉しい。


きっとナズナを見かけるたび、わたしは嬉しくなるに違いない。雑草というくくりから昇格するナズナの未来を思って。


「ぺんぺんぺんぺん〜」


ナズナを耳元に寄せて、そうはしゃぐ息子。

ナズナのように強く生きてね。

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