パンドラの箱の中にはわたしに必要なことが入っていた

今野綾さんの著作『パンドラヘッド』がkindleで読めたので本棚に入れ、今ゆっくり読ませて頂いていた。こんな11月並みの寒さの中、夏の終わり等しくテキパキ行動なんてできません(笑)生理前だし無理はしない。なんならもう冬眠の準備です。


話は逸れましたが、この『パンドラヘッド』。あらすじ引用させて頂きますと……。



――「始まったものは終わるのよ」呪縛のようについてまわる、母の言葉。盲目的に母の言葉を信じ生きてきたヒメノ。そんな母の元から離れ大学に行くようになる。そこでリクに出会い……開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったヒメノ、なんとか自分なりに対処法を模索し実行していくが次第に追い詰められていって。

夜に支配された世界で生きてきたヒメノを導いてくれたのは紛れもなく希望だった。――


著者今野さんを知ったのは、この作品が初めてですが精力的にご活動されている方です。


現在途中まで読んでいるこの段階で、文章はとても好きだなと感じています。寂しく暗い影のある文章……。好み。


そしてこの『パンドラヘッド』の物語自体が多分、わたしの好みなんだと思う。題材も繊細で、すごくすき。


ただ、今途中で読むのに躓いてしまった。というのも、ヒメノが間違った判断をして道を逸れ始めてしまったから。それ自体が、リクを裏切る行為になることに考え付いていなかったから。


起承転結で言えば、『転』。

ここから物語が動き出すのだと思う。おもしろくなるところだ。


でもなぜかわたしは……電子端末の電源を落としてしまった。これはあくまでわたしの想像である。



せっかく出会えた愛ちゃんのようで愛ちゃんでないリクとすれ違っていしまうのではないか……。



想像しただけで、ヒメノが苦しむ様子が想像できる。……怖い。続きを読むのが怖い……。


こういう物語が動く先々に起こりうることにわくわくして読むのをやめられない作品がある一方で、わたしは主人公に降りかかる恐怖や災難を思って怖くて読むのを辞めてしまう作品がある。


今回の作品は、まさに、その部類に入りそうな作品だった。こんなことを言っておいて、結局は読むと思う。書き手として展開を知らないでいるわけにはいかないから……。なんて偉そうに言ってみるけれど、結局これは著者今野さんの作品の中にしっかり没入したのだという事実が隠れている。


つまり、今野さんの作品にはそれだけ惹きつけられるものがあったのだということだ……。それ以外なんとも説明できる表現が思いつかない。



この作品はすばる文学賞一次突破した作品とあった(つまりは、二次に残れなかったという事だろうか……)。やはりそれだけの力量のある作品だと思う。読み終えたわけでもないのに偉そうですが、それもご愛嬌ってことでゆるしてほしい。刺さるひとには刺さる。そんな物語だと思う。


書き手として、やはり1作1作完結まで持って行って書き上げられるのは誰であれ尊敬してしまう。わたしもがんばらばきゃと、そう思う。冬眠してる場合じゃないよなって思う。



もしこのエッセイを読んで気になった方がいらしたら、ぜひ読んでみてほしい。今野さんを応援してあげて欲しい。


わたしもそういってもらえるような書き手になりたい。


そうつくづく今、感じている。


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