第98話 3日目の夜、3回目の襲撃
今回も全員無事だった。だいぶシナリオが変化してきたけど、襲撃は前回と同じタイミングで起きている。これから先の保障はもちろんないけれど、同じような襲撃があると思っていてもいいだろう。
本番は
みんなも目が覚めたようで、各自朝の準備を始めた。
各自朝の準備が整ったところで車座になって昨日の残りの焼肉を食べた。スープは鍋の中に各自に1杯分くらいあったのでナキアちゃんに温めてもらい、みんなに配った。
朝食を終え、後片付けも終わり、少し休んでからその日の移動が始まった。
何事もなく合計8時間の移動を終えたわたしたちは野営の準備に入った。
この日の夕食は、イノシシの焼肉の残りと、野営準備中に採集した玉ねぎと里イモを入れ、乾物屋で買った干し魚を一口大に切ってものを入れて出汁を出したスープだった。ヤカンに水を入れてナキアちゃんに熱湯にしてもらったものを使った関係で、スープの調理時間はかなり短くなった。人は進化しているのだ。
「おっ! このスープ。今までのスープとは違うのじゃ」
「魚が入ってる!」
「干し魚を使ったの。塩気もあるしなかなかでしょ?」
「いままでスープの中身など気にしたこともなくただ口に入れていたが、魚もいいもんだな」
陸軍にはハーネス隊長のような人ばかりじゃないと思う。
「うまい」
夕食が終わった頃には陽は沈んだ。雲が空を覆っている関係で野営地は真っ暗と言っていいほど暗くなった。
「雨が降る前にマントをリュックから出しておいた方がいいだろう」
みんなリュックの中からマントを取り出してそれをかけて毛布の上に横になった。
シナリオが大きく変わっていなければ、夜半過ぎに
夜半過ぎ、ナビちゃんのの急を告げる声でわたしは飛び起きた。空は雲に覆われて真っ暗だ。
レーダーマップの端に赤い点が1つ。その点が比較的ゆっくりとこちらに向かっている。距離は120メートル。樹木をなぎ倒すような音が聞こえる。コリンだ。敵の襲撃パターンは基本的には前回と変わっていなかった。
「モンスターが接近中。数は1。距離は200歩」
わたしの声でみんな飛び起きて迎撃準備を始めた。
わたしもヘルメットをかぶり手袋をはめた。攻撃手段は不射の射だけど、腰にムラサメ丸を下げておいた。
迫る接近音。距離が70メートルというところでみんなの用意が整った。
わたしたちはナキアちゃんをハーネス隊長以下3人で守り、わたしが2歩前に出る昨日の隊形を取った。
わたしは距離を詰められる前にコリンを視認しようと不射射の構えで前方を睨んだ。
距離60メートル
「モンスターとの距離100歩」
コリンの真っ黒い巨大なシルエットが目に映った。赤く2つの大きな目と大きな目の横に小さな赤い目が3個ずつ。全部で8個の目も見えた。
コリンの頭部に向けて不射の射を続けさまに3度放った。
ドン、ドン、ドン。
3度重低音が聞こえ、レーダーマップ上の赤い点は消え、システム音が頭の中に響いた。
『経験値が規定値に達しました。レベル35になりました。SSポイントを1獲得しました。精神力が+1されました。スピードが+1されました。体力が+1されました』
『経験値が規定値に達しました。レベル36になりました。SSポイントを1獲得しました。精神力が+1されました。スピードが+1されました。巧みさが+1されました』
完勝だ。不射の射はコリンにも有効だった。
「たおしました。
モンスターはコリンと呼ばれる巨大な蜘蛛でした。フー。
体液は猛毒なので決して触らないでください。今後触るようなことが有ったら、すぐにクリンで清めてください」
「分かった。
魔石は回収しなくていいのか?」
「コリンの体の中をまさぐるわけにはいかないので、放置するしかありません」
「なるほど。
ならば、そろそろ休むとしよう」
ハーネス隊長の言葉でみんな武器を置きヘルメットと手袋を取って毛布の上に横になり、マントをかけて目を閉じた。
ハーネス隊長も無事で何より。あの姿は2度と見たくないからね。
だけど、心配なのは
寝る前に確かめたわたしのステータス。
レベル36
SS=27
力:33
知力:30
精神力:33
スピード:47
巧みさ:42
体力:38
HP=380
MP=600
スタミナ=380
<パッシブスキル>
ナビゲーター
取得経験値2倍
レベルアップ必要経験値2分の1
マッピング2(77パーセント)
識別2(66パーセント)
言語理解2(90パーセント)
気配察知1(91パーセント)
スニーク1(45パーセント)
弓術8(64パーセント)
剣術8(6パーセント)
威風(10パーセント)
即死
<アクティブスキル>
生活魔法1(38パーセント)
剣技『真空切り』
アドレナリン・ラッシュ
威圧
弓技『不射の射』
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