第六十三回 祝家荘との交渉
「率いるのが隊商でなく兵士ならば
楊志は笑った。
「
「ふ……そうだな
祝家荘に向かう者は名や立場が知られている
全体として見ると楊志以外全員無名の人物ばかりとなり、楊志一人に注意を向けさせ朱貴や花栄達に対して
※祝朝奉
独竜岡中央にある祝家荘の主。祝家の
もちろん楊志達にこれを
(おい、楊志。あの男……)
(ああ秦明。かなり出来るな。おそらく
(向こうも我々の
楊志達とその男の
「おーい! 息子よ誰か来てくれ!」
祝朝奉が呼びかけると一人の男が出てきた。
「なんだい
「おお竜か。皆さんこいつは私の息子で長男の
※祝竜
祝朝奉の長男。腕っぷしは中々。
「この方々が良い取引を持ちかけてきてくれたのでな、宴に招待したいのだ。その準備とな、あと
「へぇ! そいつは楽しみだ。分かったよ親父殿」
(楊志殿、これは
(む? 花栄殿?)
(ひとつ探りを入れてみましょう)
「あ、少しお待ちを。祝朝奉様? こちらからも少しばかり肉を用意してもよろしいでしょうか?」
「む? 肉も扱っておいででしたかな」
だが運んできた荷物に肉はない。
「花……ごほん! ぶ、武矢殿。
朱貴がそれを
「分かっていますとも劉殿。それは今から私が用意します」
「え?」
花栄は弓を構えると空に向かい素早く矢を三度放った。すると時を置かず三羽の
「! 見事な腕前だ」
師範であろう男が
「よろしければ
「おお、おお! 見事見事! すぐに
「任せとけ! 弟達も呼んで急いで準備するよ」
この花栄の申し出とその弓の腕前に祝朝奉と祝竜も大変喜んだ。師範の男が向ける雰囲気もかなり
こうしてまずは武矢と名乗った花栄の
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