第二十九回 忍び寄る影
「
「うむ……」
王倫は夢の内容が気になりどう伝えたものか悩む。
(あれは予知夢だと思うのだが、なぜあんな場面を見たのか。今の状況からどう
「
「
「おそらくだが戦いになるであろう」
王倫の言葉に皆驚く。……よりも不思議がる。
「戦い?」
「誰と戦うというのですか?」
楊志は違う受け取り方をした。
「
「なるほど!」
王倫は
「違うのだ。もっと大きな規模なのだ」
「? どういう事なのです?」
「相手は官軍だと思うのだが……」
「官軍!? なぜ
「それが本当なら急いで備えねば!」
皆がざわつくが
「ご報告! ご報告!」
王倫の命を受けて任についていた手下が戻ってきた。
「なんだ。どうしたのだ?」
「晁蓋達ですがすでに
「なんだと? 最初からいなかったのか?」
「いえ、
「義兄!」
「うむ。
「自分が確認した時にはまだ来てはおりませんでした」
「義兄上。これでは
王倫は腕を組む。
「示し合わせた逃亡なら
「情報が
「ないだろう。なのに動く様子がないというのは……!!」
王倫の中で
「そうか。晁蓋達はここに逃げ込む気なのだ!」
「!!」
「石碣村で阮兄弟が舟を用意し、そこに晁蓋達が合流、
(だとすれば……)
「晁蓋達を追ってくる官軍がこの付近に現れる事になる」
「どうしますか首領!」
「
王倫は林冲と楊志の顔を見る。
「どうやらそれを見越してここに逃亡する事を選んだのだ。晁蓋自身なのか協力者の知恵なのかは分からぬが」
「
「どうしますか義兄上?」
「……役人は晁蓋達を捕らえるつもりで
王倫はその後副頭目達に指示を出した。
林冲と楊志はそれぞれ二百の手下を率い、追っ手が来たら
晁蓋達の
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